なぜ受験生が我慢せねば…痴漢撲滅に大事なことは? 内閣府も注意喚起「共通テストは追試験できる」

宮前 晶子 宮前 晶子

13日・14日の大学入学共通テストをはじめ、各大学や高校、中学の受験が本格化。受験生は被害の声を上げないと見くびり、痴漢行為を働く「痴漢チャンスデー」と言った言葉がSNSで広まったことから、今の時期は警察庁や都道府県の警察、また鉄道会社が受験生への痴漢犯罪に対する注意喚起を呼びかけています。

犯罪者の逮捕に向けて

これまでは痴漢被害を受ける側へ注意喚起を促すことが主流でしたが、最近は「加害を許さないという姿勢こそ必要」という声も高まっています。「痴漢などの迷惑行為…」との文言ではなく、「痴漢などの犯罪行為…」とアナウンスする鉄道路線も出てきました。

「チカンに遭ったら、見たら 迷わず110番!」ポスターがSNSで話題になった神戸市交通局では、今冬の受験シーズンに係員配置を増強。痴漢や盗撮などがあれば、すみやかに対応できるよう、地域の警察との連携も強化しています。「すぐに痴漢を警察に引き渡せる体制を整えたので、試験会場に遅れるからという理由で被害を黙っている必要がありません。痴漢行為はすぐに通報してください」と呼びかけています。

内閣府男女共同参画局も、「痴漢は重大な犯罪です。もし、共通テストの会場に行く途中に痴漢の被害にあった場合は追試験の対象になります。共通テストは私服でも受験できます。痴漢被害にあったり目撃したときは、周りの人に助けを求めて110番してください」と1月10日に呼びかける通り、周囲の人の協力も痴漢撲滅には不可欠です。

実際に、先日も、ボックス型の座席に座っていた女子高生が隣に座っていた男に身体を触られていることを自分のスマートフォンに打ち込み、ほかの乗客に訴えたことで犯行が発覚。乗り合わせた人の協力が、男の逮捕につながっています。

受験生も安心して受けられるように

なぜ、受験生側がただでさえ試験で不安でいっぱいなのに、そんなことへの対策まで…という声もありますが、少しでも安心した状況で受けられるようにすることも忘れてはなりません。

一般社団法人痴漢抑止活動センターの松永弥生さん(@scbaction)も、「可能ならば、私服で受験」「友達と一緒に行動」「座席に座る」「ドア付近や連結部分・先頭車両の端には近づかない」「自信のある態度で堂々と振る舞う」「警視庁の防犯アプリ「Digi Police」(デジポリス)の活用」を受験生に向けて提案しています。

内閣府が記している通り、共通テストは痴漢などの被害に遭った場合、追試験の対象になります。共通テスト以外の入試を受ける受験生は、受験校の痴漢被害についての対応を事前に確認しておけば、躊躇せず通報するなど冷静な行動がとれるでしょう。

この痴漢問題は、受験の時期だけではなく、常日頃のことでもあります。東京都と警視庁がおこなった令和5年度 痴漢被害実態把握調査では、「女性の4割超、男性の約1割が、これまでに痴漢被害にあったことがある」「目撃者が行動する場合、痴漢被害の9割超が止まる」としています。それだけ被害は多く、周囲の行動によって止めることができ、逮捕につなげることができるのです。乗車している皆さまも人ごとではなく、しっかり目を光らせてください。

■内閣府男女共同参画局 https://twitter.com/danjokyoku
■神戸市交通局 https://www.city.kobe.lg.jp/a89954/tikanbousi.html
■警視庁デジポリスhttps://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/tokushu/furikome/digipolice.html

【一般社団法人痴漢抑止活動センター関連】
■X(旧twitter) @scbaction
■公式サイト https://scbaction.org
■痴漢抑止バッジ無料配布サイト https://scbaction.ec-cube.shop

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