トコジラミ、幼虫も血を吸うので要注意!? 「ホテルなどでは万全の対策を」専門家が警鐘

黒川 裕生 黒川 裕生

トコジラミの被害や相談が国内でも急増している。刺されると激しいかゆみに襲われたり、人によっては発熱したりすることも。赤褐色をした成虫は体長5mm〜8mmと肉眼でも確認できるサイズだが、実は乳白色で1mm程度の視認しにくい幼虫も人を刺すことがあるため注意が必要なのだという。

トコジラミはカメムシの仲間で、かつては南京虫と呼ばれていた。日中は家具や段ボールなどの隙間に潜んでおり、夜になると這い出てきて人を刺す。不完全変態で、成虫になるまで5回脱皮を繰り返すが、幼虫の段階から血を吸うという。

トコジラミの駆除剤「ゼロノナイトG」などを扱う殺虫・防虫剤メーカー大手のアース製薬によると、トコジラミ関連の報道が増え始めた2023年秋以降、消費者からの問い合わせも増加の一途。特に11月は前年同月比で約9倍となる176件が寄せられ、「トコジラミが大流行している韓国へ旅行に行くが、どんな対策をすればいいのか」といった声が目立つという。

同社で研究用の害虫飼育に携わる有吉立さんは「コロナ禍を経て人の移動が増えており、海外からの旅行者も多い。様々な場所から日本に持ち込まれているので、被害は今後も増えていくと思われます」と警鐘を鳴らす。

ただ成虫と違い、幼虫は肉眼で見つけにくいのが難点。有吉さんは「ホテルなどを使う際は、バッグ類にナイロン袋を被せ、念のため浴槽内に置くこと。また、トコジラミは部屋が暗くなると現れるため、慣れるまで落ち着かないかもしれませんが、照明はつけたままアイマスクなどを着けて寝るのもひとつの手です。殺虫・防虫剤を使う際は、対象害虫にトコジラミが記載されている商品を選んでください」と話している。

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