ピーラーでむくニンジンの皮。このオレンジ色の皮を「むかなくていい」という八百屋や農家の証言が話題を呼んでいいます。
八百屋歴10年の「青髪のテツ|野菜のプロ」(@tetsublogorg)さんが「お店で売られてるにんじんに皮はついていません」「にんじんの皮は非常に薄く出荷前の洗浄でほぼ全て流れてしまいます」「売られているにんじんはまるごと身の部分。全て食べることができます」とX(旧Twitter)に投稿すると、ニンジンの栽培経験があるニシキオリ(@M_Nishikiori)さんが「僭越(せんえつ)ながら補足します」と洗浄前のヒゲ根が生えたニンジンやロールブラシでゴリゴリ洗う様子や、洗浄してピカピカになったニンジンの写真を投稿しました。
「知らなかった!」「初耳」「なるほど~」と驚きが広がったニンジンの皮問題について、写真を投稿した熱海ダモンデファーム農園長のニシキオリさんに聞きました。
ーーなぜニンジンの皮は洗うとむけてしまうのでしょうか。
「ニンジンの皮は非常に薄いため、ロールブラシと水だけでほぼ綺麗にむけてしまいます。例えるならサツマイモの紫色の薄皮や、じゃがいもの外皮の極薄さに似ています。私自身はニンジンの皮(皮と思ってる本体)は基本的にむきませんね」
ーーニンジンの皮はむくものだと思っていた人は多いと思います。
「ニンジンの皮は産地で行われる洗浄段階でほとんど無くなってしまってるので、本当は皮むきの工程って不用なんですよね(笑)。サッと水で洗ってそのまま使えます」
「ただ、市販のニンジンでも表面にうっすらと、日焼けした人の皮膚がポロポロとむけてる様に薄皮が薄ーく残ってる事も多い(ブラシの届きにくい肩の部分などに多く見られます)ので、気になる方やお料理の味のしみ具合などを均一にしたい方は、あえてピーラーで表面を削る方もいらっしゃるようです。
野菜や果物は、ニンジンや大根などの根菜なら接する土との境に皮をつくり、地上に出来るものなら外界との境目に皮を設けます。土中や外界の有害なものから自身を守るべく、天然の機能性成分を免疫機能として、皮などに集結させます。これが近年でも有名になってきた『ファイトケミカル』と呼ばれる成分であり、皮などを摂取する事で人体にとって強い身体作りに役立ってる事が解明されてきておりますので、積極的にリンゴやジャガイモなども皮ごと食べて、皮むきの手間を省きつつ、より健康的な身体作りにも上手く役立てていきたいものですね」
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ニンジンの皮は既にむけていたー。衝撃の事実にX上では「知らなかった…」「これからは全部食べます」と驚きの声が上がっていました。
熱海ダモンデファームのホームページでは地元産の有機質肥料を贅沢にたっぷりと効かせた熱海産レモンや柑橘類を販売しています。
青髪のテツさんは書籍「マンガでわかる やさいのトリセツ」(Gakken)で新鮮な野菜の選び方や野菜が長持ちする保存方法、節約テクニックを紹介しています。