「残業理由:ウミガメが満足するまで甲羅を掃除していたため。」というひと言とともにXに投稿された動画に注目が集まりました。飼育スタッフさんがウミガメさんの甲羅をタワシで優しくこすってあげています。心あたたまる風景に多くの人が癒やされました。
動画をポストしたのは「道の駅ウミガメ公園」(@umigamekouen)のアカウントです。「道の駅ウミガメ公園」(三重県南牟婁郡紀宝町)は全国で唯一、ウミガメの保護施設を併設する道の駅で入場無料の施設です。施設内ではウミガメをはじめとしたカメ類約20種が展示されており、来園者は誰でも水槽内でのびのびと泳ぐ姿を観察できます。
「もうお家に連れて帰りましょう」
「これは拒めない」
「すごく優しい残業理由ですね。」
両者のふれあいにたくさんのコメントが寄せられました。
「甲羅にも感覚あるのかな?」と質問する人に対して
「甲羅表面の鱗板に感覚はありませんが、鱗板のすぐ下に骨板があるため、甲羅に物が触れる感覚はあると思います。」とリプライで答える飼育スタッフさんに、撮影時のことや話題になったウミガメさんのことをお聞きしました。
こんな大きな甲羅を掃除するのはどんな感じ?
――「残業」はどのような流れで発生したのですか?
本当は、水槽の掃除中だったのですが、ウミガメが近づいて来たため甲羅の掃除をしてあげた感じです。
――こんな大きな甲羅を掃除するのはどんな感触ですか?
感触はツルツルで硬いです!甲羅自体は目に見えた汚れは確認できないので、汚れが落ちている感覚は飼育員からはわからないのですが、カメがブラシに甲羅を押し付けて来たり、こすって欲しいであろう部分をブラシに向けてくるので、『満足してくれたら嬉しいな〜!』という気持ちで作業してます。
――話題なったウミガメさんについて教えてください。
種名は「アオウミガメ」で、個体名は「みえちゃん(メス)」です。年齢は25歳になります。この個体は当施設でも特に人慣れしている子で、掃除中に寄ってくる事は頻繁にあります。逆に全く寄ってこない個体もおり、カメごとに個体差や性格のようなものを感じます。
――動画に大きな反響がありました。
「こんな残業ならしたい」「ここで働きたい」など、生き物や生き物に携わる仕事について少しでも興味を持ってもらえた事が嬉しかったです。
今年初めて産卵した、みえちゃん!43匹の子ガメが孵化し、子ガメの展示は常設中!
また飼育スタッフさんは、「同個体(みえちゃん)が今年初めて産卵をしました。これは当施設では史上初めてのことで、日本国内の飼育施設でもアオウミガメの繁殖に成功している施設は6施設しかないため非常に嬉しかったです」とみえちゃんについて素晴らしいニュースを披露してくれました。
さらに続けて「全部で43匹の子ガメが孵化しました。子ガメの展示は常設しております」(同飼育スタッフさん)と、その後の経過も話しています。
【道の駅紀宝町ウミガメ公園】
HP|https://umigamekouen.com/
住所|三重県南牟婁郡紀宝町井田568-7
※年中無休で営業