近年、健康に長生きするために「歩く習慣」に注目が集まっていますが、1日によく歩く都道府県はどこなのでしょうか。ジオテクノロジーズ株式会社(東京都文京区)が、東京大学の樋野公宏准教授(以下、樋野氏)とともに発表した「歩行行動に関する分析」によると、平日1日の歩数の中央値が最も高かったのは「東京都」でした。
調査は、2022年11月6日および9日の2日間に、同社が運営するポイ活アプリ『トリマ』で収集した約157万人の人流および歩数データを集計したといいます。
約157万人の歩数データを都道府県別で集計した結果、平日一日の歩数の中央値が最も高かったのは「東京都」(6136歩)でした。次いで、2位「神奈川県」(5984歩)、3位「大阪府」(5700歩)、4位「千葉県」(5600歩)、5位「埼玉県」(5450歩)が続き、人口の多い都道府県が上位にランクインする結果となりました。なお、全国の中央値は「5009歩」となっています。
樋野氏によると、「従来の研究でも“人口密度”と“歩数”に相関関係があると言われており、これは人口の多い都市部では公共交通機関が主要な移動手段であるため、歩行行動が多くなる一方で、人口の少ない郊外部や地方では自動車が主要な移動手段となっており、歩行行動が減る傾向にあると考えられる」といいます。
また、人口密度による分類に加えて、「自宅から職場までの通勤距離」によるクロス集計をした結果、人口密度が同程度のエリアでも通勤距離が長い人ほど歩数が多いことが判明。さらに、その傾向が平日だけでなく休日も同じであることが分かりました。
樋野氏は、「そもそも平日の通勤が歩行行動に影響すると考えておりましたが、休日の歩行行動には通勤以外の別の要因がある可能性が今回初めて示唆されました。この要因を追求するため、今後も通勤距離と歩行行動の関係性について、人流データとユーザ属性も加えて解析していく予定です」とコメントしています。