「ひだまり号で里親探しをしてほしい」
愛媛県内で猫の保護活動をしているレスキューあきらさん(以下、あきらさん)から子猫たちの里親を探してほしいと、「ひだまり号」(名古屋市西区、オーナー祖父江吉修さん)に連絡が入りました。「ひだまり号」は、オーナーの祖父江吉修さんと昌子さん夫婦で運営する2階建てバスの保護猫カフェ。
あきらさんは愛媛県内の保健所から殺処分される予定だった子猫15匹を引き出し、一般の人から引き取った子猫も合わせて20匹ほどお世話をしていましたが、そのうち自力で里親を見つけたのは7匹のみ。残り13匹は、地元で譲渡会に参加してもSNSなどで里親募集を呼び掛けても譲渡先が見つからず。以前からあきらさんの里親探しに協力していた祖父江さん夫婦が一部の子猫たちを受け入れることになったのです。
昌子さんによると、保健所から引き出された子猫たちは現在生後3、4カ月ほど。生ごみと一緒に捨てられていた生まれたばかりの子や風邪を引いたまま放置されてひどい目ヤニなどで両目が開けられない状態の子、血便が出たり下痢がひどい子など、遺棄や劣悪な環境で育った子猫たちばかり。そんな状態の悪い子猫たちは保健所に送られたものの、引き取り手がいなければ殺処分を待つ間にみるみる弱っていき瀕死の状態になって、そのまま保健所内で死んでしまうかの瀬戸際でした。
保健所に収容された子猫たち…里親が決まらない9匹が保護猫カフェへ
ある時、あきらさんは保健所を訪れて、次から次へと収容されてくる子猫を見ていたたまれなくなったといいます。この日引き取れる子猫全て15匹を引き出した後、動物病院へ直行。治療を始めました。これであきらさんのところにいる子猫たちは20匹ほどに。健康状態が良くなるまで昼夜問わずに献身的にお世話をし病院に何度も通うなどして、何とか子猫たちの命をつなぎとめることができました。7匹は里親が決まったものの、決まらなかった13匹のうち4匹は愛媛県内の猫カフェに預かってもらえることに、残りの子猫9匹は「ひだまり号」が受け入れることになりました。
そして8月中旬、子猫9匹は松山空港(愛媛県松山市)から空輸で中部国際空港(愛知県常滑市)に到着。祖父江さん夫婦でお迎えに行きました。数カ月の間愛情を注いだあきらさんのおかげで、子猫たちは怖がらずとても甘えん坊な子ばかりで人懐っこいといいます。
「全国における犬猫の殺処分数が各県ランキングで愛媛県は2位(令和2年度)と多いエリア。そんな殺処分から助け出したあきらさんが睡眠を削ってまで育てたかわいい子たちです。懸命に命をつないでくれたあきらさんのバトンを受け取り、優しい里親さんを見つけたいと思います。
昨年もあきらさんのところから14匹の子猫がひだまり号にやって来て全て里親さんの家に嫁いでいきました。今もみんな幸せに暮らしています。ひだまり号の猫カフェでたくさんの方に子猫たちを見ていただき、家族の一員にしてもらえたらうれしいです」(昌子さん)
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今年8月1日で5周年を迎えたひだまり号。これまでに保護した猫約460匹、そのうち里親へつないだのは約370匹を数えます。6月から「ひだまり号」には、障がい者の就労訓練を支援する就労継続支援B型「ねこぱんち」(名古屋市中区、本社広島県)の利用者に猫たちのお世話を手伝ってもらっています。「ぜひ愛媛県からお迎えした子猫たちを見に遊びに来てください」とのことです。
▽保護猫カフェ「ひだまり号」
愛知県名古屋市西区香呑町(こうのみちょう)3-74
電話:052-522-6295
営業時間:11:30~20:00(最終入店:19:00)
定休日:毎週水曜日、木曜日