「夏祭り」ワクワクは身近に!? 地元で開催のイベントを楽しもう!

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八月になりました。誰にとっても楽しい夏休み。子供たちにとってはすべてを忘れて何かに夢中になれる特権の時間。大人にとってもお盆を中心とした夏休みはおおいに楽しみなもの。今年は中止されていたイベントも続々と復活して例年にない盛り上がりをみせています。あたりまえだった地元の夏祭りも、ちょっと輝いて見えてきます。ワクワクは案外身近にありそうです。夏だからこそのお楽しみ、思い出を見つけに行ってみませんか?


実は神様もご覧になってる?「夏祭り」

夏の祭りは春と秋に催される農作物の豊かな稔りへの祈願や感謝とは少し違った意味をもって行われているようです。夏の太陽が稲の実を充実させる時期に恐れるのが、水害や疫病です。このような厄災からの加護を祈る意味をこめて、多くの夏祭りが行われてきました。

祭の前夜に祭神が来臨されるための宵宮(よいみや)祭り、祭りが終わった翌日に行われるのは後(あと)の祭り。お供えした神饌(しんせん)を下げて、みんなで食べたり飲んだりの宴が行われます。

≪象潟や料理何食ふ神祭≫ 曾良

神様をお乗せする御神輿(おみこし)や山車(だし)の巡行が行われるところもあります。太鼓や笛、鉦などがにぎやかに祭囃子として付き従えば、厳かな祭りにもはなやぎが生まれます。

≪鼻筋の一刷毛白し祭稚児≫ 森重夫

神事としてのお祭りは、意義にのっとった様式で行われていますが、夏祭りは時代とともに変化を重ね、現在は季節の行事として私たちのお楽しみとなっています。

≪家を出て手を引かれたる祭かな≫ 中村草田男

どこの町にもあるのが神社。地元の守り神として、今も祀られ大切にされています。住みはじめればきっと地元の神様にもお世話になっているもの、そんな気持ちをもって今年の夏祭りに出かけてみませんか。


「盆踊り」輪の中に入って楽しもう!

櫓が組まれ太鼓が響いて音楽が流れ出せば、自然に人々が集まり踊りの輪ができていく、という不思議な力があるのが盆踊り。夏祭りには欠かせません。古く平安時代に空也上人が始めた踊念仏に起源がもとめられます。鎌倉時代にはいると、一遍上人が「念仏を唱え踊れば誰でも救われる」と全国を行脚してまわり、広まったといわれています。

盆踊りは、お盆を迎えた諸霊に供養を施し、彼の地へと送り返すために踊られてきました。やがて豊作を祝うための豊年踊り、など土地ごとに意味をこめて踊りは取り入れられていきました。現在では娯楽としての要素が大きくなり、広場や街角に櫓を組んで地域のイベントとして楽しむ盆踊りがふえていっています。

≪てのひらをかへせばすゝむ踊かな≫ 阿波野青畝

昼の暑さも少しおさまった宵の暗さの中で始まる盆踊り、出会いの少なかった時代にはロマンもまた求められていたようですよ。

≪踊笠被りて眉目の生れけり≫ 後藤比奈夫

同じ町に住んではいても知らない同士、こんなめぐり合いがあるのも盆踊りの楽しみでしょうか。帰り道に、もし太鼓や音楽が聞こえてきたら盆踊りかもしれません。ぜひ近づいて何気なくフッと入ってみるのはいかがでしょう。楽しく踊って笑顔で帰っていけたら嬉しいですね。


「花火」何といっても夏の思い出に

夜空にどーんと大きく上がる花火は壮大で美しく、ただただ見とれるばかりです。大勢の人々と一緒に楽しむ大がかりな花火大会は、華やかな思い出として絵日記のページを色どりました。

≪構へなき天に花火が進み入る≫ 橋本美代子

子供の頃を振り返ると、週末の夕食後に家族で楽しんだ花火が色あざやかに思い出されます。商店街のおもちゃ屋さんで買ってもらった花火セットの袋を開ける時のときめき、あれもこれもと欲張る中に、どれにしようかと迷うもどかしさ。みんながそれぞれ好きな花火を決めたら順番に着火。じっと目を凝らして仕込まれた火薬が輝き出す瞬間を待つ緊張感。煙とともに火の粉が輝いて、色とりどりに流れ出す。歓声が口々に上って、つかの間の花火は終わります。ちょっとした溜息のあと、次の花火へ。

≪手花火や路地に子供の声弾む≫ 平尾直子

≪手花火の片手は母の膝にあり≫ 小坂灯村

やがて水をはったバケツに花火の残骸がたまって、もう火をつける花火がなくなればこれでおしまい。楽しかった満足感と寂しさを曖昧に持ちながら、眠りについたことでしょう。子供として家族の中心にいた濃密な幸福感は、こんな小さな思い出に記されていたのだな、と気づきます。

ステイホームをきっかけに、今住む町に目を向けるチャンスも多かったことでしょう。今迄は地元の行事に縁がなかったという方も、再開をきっかけにお祭りや盆踊りに飛び込んでみてはいかがですか。新しい世界や人間関係が開けていくかもしれません。
夏の過ごし方はいろいろ、それぞれ。家族との時間や自分の時間を大切にしながら、暑さを乗り越えてひとつでも心に思い出を残せたら素敵ですね。

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