空き家で生まれ育った野良の子猫たち 最後の1匹が頼ったのは我が家 「お腹を空かせているこの子を放っておけない」 そして家族になった

渡辺 陽 渡辺 陽

お腹が空いたよ、助けて

福助くん(6歳・オス)は、九州在住のHさん宅の前にある空き家で生まれた。野良猫が産んだ子だった。Hさんは子猫たちがすくすく育っているのを見守っていた。楽しそうに親子で戯れあっていたのだが、ある日、母猫がいなくなり、4、5匹いた子猫たちも1匹ずついなくなってしまった。最後に残った福助くんがHさん宅の駐車場にやってくるようになったという。

「お腹が空いて助けを求めに来ている猫を放ってはおけない」。2016年8月18日、Hさんは福助くんを保護した。

脱走歴10回のやんちゃ猫

福助くんは生後4カ月くらいだったが、飼い猫のように人に慣れていた。野良猫だった頃に、向かいのアパートのおじいさんがごはんをあげていたので、人慣れしたのだった。

「膝の上にすぐに乗ってリラックスしていました」

「この子に福が訪れますように」と願いを込めて「福助くん」という名前にした。

甘えん坊で元気いっぱいの福助くん。脱走歴は10回以上という。そのため、首輪にはいつも猫探知機を装着している。最長2週間もいなくなったこともある。

Hさんは脱走防止策を強化、脱走できないように、二階建ての戸建ての一階のリビング以外は出入りできないように、必ず扉を閉めている。サッシを開けても網戸専用の鍵を必ずかけ、大きなサッシを開ける時は、必ず隣の逃げられない部屋に移動させてサッシを開け閉めしている。

「どうやら家をテリトリーと思っているらしく、家から50m四方以上は出ていきません。首輪にTabcatという探知機を常に付けていますので、そばにいることは毎日確認できています。Tabcatは、脱走しても遠くまで行かない猫の探知に関して非常に優秀です。何度不安な気持ちを助けられたかことか。これが無かったら、生きているのかそばにいるのか分からず、不安な日々が続いていたでしょう」

そんな福助くんと暮らすHさん。「毎日が幸せで、バラ色です」と言う。

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