お外遊びを楽しむために!知っておきたい虫や生き物の話

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キャンプや公園などの屋外で遊ぶことが増えてきましたね。また、リラックスや開放的な雰囲気、涼を求めて、川や木陰などの自然を感じられる場所へお出かけする機会に、やっぱり気になってしまうのが『不快な虫や生き物』のこと。今回は、そんな『不快な虫や生き物』のうち、吸血する生き物への対策と対処法をまとめてみました。出かける前からできる予防もあります。ぜひ、一読して、楽しい時間だけをお土産に。


生息地域は拡大傾向

温暖化や物流の増加、人の往来、様々な理由からこれまでと違った虫や生き物に出会うこともあります。また、これまでは綺麗な河川地域でしか生息できなかった生物が、都市の環境整備などによって浄化が進み、都会の川でも生息できるようになってきています。他にも、森林開発などで本来の居住地であった場所を奪われたり狭められたりすることで、人の生活域に入ってくる野生動物と共に、生息域を拡げた虫や生き物もいます。遊びに行った際には不快でも、農業などでは有益な生き物がいたりと、人の生活への『益・不益』、『無害・有害』、『快・不快』は、なかなか計り難いところがあります。また生息域を拡大した生き物について、なかなかその駆除が難しいという問題を抱えていることがあります。出会った生き物が、『どのような生態を本来は持っているのか』という点を考えてみるだけでも、遊びだけではなく、学びも得られるかもしれませんね。


時差で酷い痒さのアイツ

「ブユ」(ブヨ・ブトなどとも呼ばれます)による虫刺されは、蚊に刺されたような状態から、後に、みるみる腫れてきたり、猛烈な痒みを引き起こします。正しい対処をしないと、しこりが残ったり、色素沈着を起こす可能性があります。
ブユは1mm〜5mm程度の体長で、コバエのような見た目をしています。主に、水辺付近の草むらなどに生息しています。特に、朝や夕方の時間に活発に活動するので、その時間帯には注意をしましょう。
一般的な虫除けなどでは効かないため、林業の方が利用するような虫除けやブユに対して効果が記載されている虫除けを利用しましょう。また、肌の露出を避けて、袖口の締まった長袖・長ズボンや靴下などを着用するのがおすすめです。暗いところを好む性質があるので、黒や紺などの濃色の服を避けるようにしましょう。
蚊と違って、ブユはノコギリ状の口元で、皮膚をかじり、そこから流れ出た血液を啜ります。気付きにくいのは、その毒素のある唾液成分によるもの。そしてこの成分がアレルギーを引き起こしたり、後に激しい痒みを長時間引き起こします。
一般的には、掻くのを我慢して、抗生物質が配合されたステロイド外用薬を塗って治療します。市販のステロイド成分を配合した治療薬も利用できますので、気付いた時点で対処するのがおすすめです。5日ほど経っても、痛みや痒み、腫れが続く場合には皮膚科などの医療機関を受診しましょう。


うっとうしく絡んでくるアイツ

「アブ」は水辺のある地域に生息し、ハエやハチのような見た目をしており、見た目も様々にいます。ハチはお尻にある針で刺しますが、アブはブユのように、皮膚を噛んで、そこから流れ出る血液を吸います。産卵のために必要な卵巣の発育のため、吸血します。ですから、メスは積極的に人や動物を咬みます。人の呼気などの二酸化炭素に反応し、誘われ、しつこく追う傾向にあります。羽音が大きいものが多く、ハチと見間違いやすいですが、ハチは脚を垂らすように飛び、一方、アブは脚を折り曲げて飛びます。また膝下の高さで咬まれることが多いので、長靴を履くなどして防ぐことができます。また、黒や紺などの濃色にも反応しやすいので、服の色選びを明るい色にして、帽子の着用もおすすめします。
一般的な虫除けでは効かないので、ディートなどが配合されたものなど、効果が記載されている虫除けを利用しましょう。またハチやアブ向けのエアゾールスプレーなどは、駆除したり忌避することができて、その場で対処することができるので重宝します。
咬まれると、大人でもびっくりするほどの痛みが生じます。咬まれた痕はブユと似ています。病原体を媒介することもあり、注意が必要です。清潔な水で洗浄し、冷やしたり、ステロイドや痒み止めが配合された塗り薬を塗布しましょう。症状が長く続くようなら、医療機関を受診しましょう。


見た目がグロテスクなアイツ

「ヒル」には様々な種類がいますが、その中でも、「チスイビル」「ヤマビル」「ヌマビル」などが人などの哺乳類に対して吸血をします。水田や川、沼地や湿度の高い森林などにその多くは生息しています。体長が2mmに満たないものから、目視でも易々と確認できる大きさのものもいます。ミミズのようなヌメリのある見た目で、吸血後に傷口から流血したり、その体が吸った血液で丸々と太る様子から不快を感じさせる生き物ですが、他方で、医療や漢方などに利用されています。
ヤマビルなどは湿った草や落ち葉、石の下などに生息していて、河原や雨上がりなどにも注意が必要です。人の呼気などの二酸化炭素に反応します。頭部と尾に吸盤があり、シャクトリムシのように伸縮することで移動しますが、その移動速度は思いの外に速く、靴などに取り付いたヒルは30秒ほどで靴下の中に侵入すると言われています。ですから、ヒルが多く生息する場所に行く際には、なるべく入り込む隙間を与えないように、例えば、ズボンの裾などをしっかりと絞ったり、靴下に入れ込む、首元にタオルを巻いて襟からの侵入を防ぐなどの工夫を。ヒル専用の忌避薬やディートなどが配合されたものなど、効果が記載されている虫除けを利用しましょう。濃度の高い塩水も効果があるようです。

ヒルはノコギリ状の歯で皮膚を傷つけて吸血します。その際に、血液が固まりにくい物質を出します。そのため、咬まれても気付かず、また、出血が止まりにくくなっています。1時間ほど吸血することもあり、満腹になると自ら剥がれるように離れます。衣類に血液のシミを見つけて、咬まれたことに気付くパターンも多いようです。

咬まれてしまったら、まずはヒルを取り除きます。塩や虫除けスプレー、マッチやライターの火で剥がれ落ちます。傷口から血を押し出して、吸血する際に出された成分などが体内に残らないように、しっかりと絞り出します。その後、しっかりと傷口を洗い流します。虫刺され薬などを塗布し、絆創膏などを貼って、圧迫止血をしましょう。発熱などの症状が出た際には、医療機関を受診しましょう。

しっかりと対策をして、楽しい外遊びを!

参考
アース製薬
ミナカラ
神奈川県

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