猫風邪でひどい結膜炎…目が見えない子猫が助けを求めたのは「眼科クリニック」!? 出会うべくして出会った愛猫、すっかり“ちびっこギャング”に

古川 諭香 古川 諭香

数ある人間の中から自分を選んで、「うちの子」になってくれたのでは…。そう思える猫との出会いは、少なくない。nokoさんは、まさにそんな経験をした。愛猫のチュッカくんは猫風邪で目が見えない状態でありながら、nokoさんが勤める眼科クリニックに聞こえるよう、助けを求めてくれたからだ。

目がぐちゃぐちゃな子猫が眼科クリニックに響かせたSOS

2018年の梅雨、nokoさんは勤務先である眼科クリニックの駐車場で、子猫の鳴き声を耳にした。朝から聞こえる鳴き声は、昼休みになっても止まず。

「休憩室にも響くほどの声で…。気になりましたが、姿は見えませんでした」

雨が降り続いていたこともあり、nokoさんは子猫の命が気がかりだった。そんな時、スタッフのひとりから、以前、2匹の子猫を連れた母猫を見かけたことを聞く。母猫は子猫1匹だけを放置し、どこかへ行ってしまったそう。

話をきいたnokoさんは、残された子猫が、もしかしたら駐車場の壁と隣家の間にいるのではないかと思い、お隣宅で事情を説明。すると、室内の窓から捕獲してもいいとの許可が得られたため、クリニックの院長が使っている鮎釣り用の網を持って隣家へ。

nokoさんの予想通り、子猫は駐車場の壁と隣家の間にいたそう。無事に保護できたものの、両目がぐしょぐしょの状態だった。

動物病院へ行くと、猫風邪による結膜炎で両目を開けないことが判明。2~3日ほど入院して様子をみることになったが、それでも目は開かず。退院は延び、しばらく入院治療が続いた。

しかし、獣医師の懸命な治療のおかげで、子猫の目は徐々に開いていき、入院から10日目で、ようやく退院。

正式に家族として迎えるにあたり、nokoさんは「チュッカ」という名前をプレゼントした。

「韓国語で誕生日を祝う言葉を意味する、センイルチュッカハムニダという言葉から取りました。おめでたいニャン生を送ってほしくて」

弱々しかった子猫が骨格のしっかりした巨猫に成長!

退院後は認知症予防になればと思い、1カ月間は、ひとり暮らしをする母に猫のお世話を頼んだ。最初、母親は気が進まない様子だったが、徐々に愛着が湧き、1カ月後に引き取りに行った時には、離れがたかったのか涙を流していたそう。

自宅へ迎え入れた後、チュッカくんはすぐに人慣れと家慣れ。しかし、シニアの先住猫2匹は突然現れた、“ちびっこギャング”に困惑していたという。

一緒に暮らす中で、チュッカくんはみるみるうちに大きくなり、もともとしっかりしていた骨格の太さが分かるようになった。

「膀胱に砂が溜まって入院したことがあるので、今は療養食しかあげられません。ちゅ~るは、夢です。でも、たくさん食べられるのは、この子には幸せなことだと獣医師から言われました」

がっちりとした体格に似合わないハイトーンボイスや、とにかく甘えん坊なところなど、チュッカくんにはnokoさんしか知らないかわいいところがたくさんある。

「水は、水道から飲む派。しかも、ちょっと熱めのお湯も好きです。チュッカは、お手もできます」

天真爛漫なチュッカくんの日常を見守る中で、nokoさんは人も猫も出会いは縁だと、強く思った。

「きっと、我が家に来た猫は、うちに来る運命だったと思うんです」

美しいグリーンの瞳を輝かせながら、家猫ライフを謳歌するチュッカくん。彼は、自分を治療し、大切にしてくれる人がいることを理解した上で、SOSの声をあげていたのかもしれない。

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