「田んぼのカエルの鳴き声がうるさくて眠れない」ーー弊サイト「まいどなニュース」が5月29日朝に配信した、田んぼにいるカエルの鳴き声に近隣住民から苦情が出たという記事に大きな反響が寄せられています。
獣医師「人間は生物の一員。忘れてしまっているのでは…」
「記事を読んで衝撃でした。アマガエルは鳴くものです」。そう話すのは大阪・守口市の夜型動物病院「まねき猫ホスピタル」の院長で、Yahooニュースの公式コメンテーターも務める石井万寿美さん。
石井さんはまいどなニュースの取材に対し、「私はいま都会に住んでいますが、以前はカエルが鳴くところにも住んでいました。カエルの声をうるさいと感じる人がいることにびっくりしました。そのうち、セミの鳴き声がうるさいから木を切れなどに発展するのかな、とも考えました」と率直な感想を述べました。
「ネットが発達して、生の体験が少なくなっているせいか、人間が生物の一員だということを忘れてしまっているのでしょうか。生き物の恵で果物ができることも知らないので、ハチが出たら、それも駆除すればいいと思っている人もいるのかもしれません」(石井万寿美さん)
石井さんはYahooコメントの中で、田んぼに生息するカエルについて、「田んぼはアマガエルにとって重要な産卵場所であり、アマガエルは田んぼの害虫を食べることで稲の生育を助けています。同様に、他のカエルやクモやトンボも田んぼの害虫を捕食し、田んぼの生態系において重要な存在です」と説明。
「大量の殺虫剤や農薬を使用すると、害虫は減るかもしれませんが、同時にカエルたちやそれを餌にする生き物も減少してしまいます。田んぼからカエルが消えると、他の生き物たちも生きていけなくなるため、バランスを保つためにもカエルの存在は不可欠です。カエルがいるということは、その田んぼがあまり農薬を使用していないことになり、地域の人にとっても安全です」(Yahooコメントより引用)
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29日朝に配信した記事のタイトルは「『カエルの鳴き声がうるさい』田んぼの持ち主に苦情→『理不尽すぎる』『無茶言う人だ』驚きの声広がる」。
あるツイッターユーザーが、地域住民から田んぼの持ち主への苦情が書かれた張り紙を見つけたという内容です。訴えには「カエルの鳴き声による騒音に毎年悩まされています。鳴き声が煩(うるさ)くて眠ることができず非常に苦痛です」などと書かれていました。
タイトルの一部、「田んぼの持ち主」「驚きの声」はツイッターのトレンドワードにランクインし、転載されたYahooニュースのページには半日で5千件を超えるコメントがつきました。
まいどなニュース編集部には読者から「農家の人がカエルを飼ってるわけではないのに」「自然現象に文句を言う人の気持ちが分からない」「カエルがかわいそう」「田んぼのカエルの鳴き声で初夏を感じているのに」など、多数の意見が届いています。