これが「血」か!「山本由伸のへんか球」「ベルーナドームのとくちょう」12球団を箱推しする小3男児の自由研究が話題

竹内 章 竹内 章

「山本由伸のへんか球」「ベルーナドームのとくちょう」。小3男児の自由研究にご注目ください。カーブ、カットボール、フォークなどの球種が一目瞭然の手書き配球チャートを披露したかと思えば、別の回では「ベルーナドームはとくにピザがおいしいです。」というファンにはうれしい球場飯情報も。「スコアラーを目指しているのか」と行く末を案じる小3男児のお父さんの職業は、野球関連の著書が多いスポーツライターです。フィールドは違えど野球を愛さずにはいられない父子鷹(おやこだか)、素敵だなあ。

「離島熱球スタジアム 鹿児島県立大島高校の奇跡」(集英社)の近著がある菊地高弘さんが自身のアカウント(菊地選手@kikuchiplayer)で、「小3の息子に新学期から「自主学習」という自由研究のような宿題が毎週出ているのだけど、テーマが「山本由伸の変化球」とか「ベルーナドームのとくちょう」とか、スコアラーでも目指しているのかという内容で親として行く末が心配になる。息子いわく「こんな宿題なら毎日やりたい」とのこと。」とツイート。半端ない野球愛が伝わる自由研究に「将来有望だ」「小3でここまで探究を深められるのはスゴい!」などの声が上がっています。

学習ノートを埋める小学生らしい文字。記されているのはオリックスの剛腕を丸裸にするような配球分析。玄人好みの本格派かと思わせつつ、「ベルーナドームはとにかく食べ物がおいしいです。」と観戦初心者に配慮したうれしい情報も。どんな小学生なんだろう…菊地さんに聞きました。

「12球団すべてを応援する箱推しです」

ー息子さん、野球愛が半端ではありません

「3年前に野球を好きになった時から、どういうわけか12球団を等しく応援するプロ野球ファンになりました。いわゆる箱推しです。12球団すべての帽子を集めており、7球団そろいました」

ーおお…

「2年前に『将来はオリックスに入りたい』と言い出したので、理由を聞いたら『山本由伸が投げる時に打ってあげたいから』と言っていました。当時、山本投手が打線の援護に恵まれない時期が続いていたためでした。最近は『エスコンフィールドに行きたい』と言っているので、今年の夏は家族で北海道に行く予定です。恐らくそれも自主学習のネタにすると思われます」

ーもちろんプレーも

「小学1年から地域の学童野球チームでプレーしています。私は仕事柄平日のほうが時間の融通がききやすいので、息子が学校から帰ってきたら近所のボールを使える公園に行って、キャッチボールやバッティング練習、ゲーム形式の練習をすることもあります」

ー赤ちゃんの頃からですか?

「いれそれが…。息子を野球に誘導しようと、おもちゃのバットやグラブを置くなどあれこれ試してみましたが、なびいてくれませんでした。3年前に松田宣浩選手(当時ソフトバンク)がスイング後にケンケンする姿を見て以来、勝手にハマってくれました」

ー意外過ぎるきっかけです

「私は野球の魅力を伝えることを生業としているものですから、もっとも身近な人に魅力を伝えられなかったらダメだろうとプレッシャーを感じていました。息子が野球好きに育ってくれただけでホッとしています。最近は度が過ぎているように感じて、別の心配が出てきました(笑)」

「ベルーナドームのとくちょう」はノート4ページにわたり、球場飯情報だけでなく、入場時にキッズグラブを無料でもらったこと、試合後にフィールドウォークで選手がプレーした人工芝を踏みしめ、キッズブルペンピッチングが体験できたこと、そしてヒーローインタビューを受けたことも書いたそうです。担任の先生には提出済とのこと。どんな講評が返ってくるか楽しみです。

菊地さんは野球専門誌「野球太郎」編集者を経てフリーに。著書に「野球部あるある」(集英社)「巨人ファンはどこへ行ったのか?」(イースト・プレス)「下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル」(カンゼン)「オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない!」(インプレス)があります。近著は2023年3月3日発売の「離島熱球スタジアム 鹿児島県立大島高校の奇跡」(集英社)。→https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-790111-5

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