「この曲が遺作となります」ドラム恒岡さん死去のHi-STANDARD新曲リリースに反響 「涙止まらない」「唯一無二のドラム」

小森 有喜 小森 有喜

人気バンド「Hi-STANDARD(ハイスタンダード)」が4月19日、新曲「I'M A RAT」を発表した。今年2月に亡くなったドラム・恒岡章さんが生前最後にレコーディングに参加した曲だ。残されたメンバーの難波章浩さん、横山健さんは「恒岡章という不世出のドラマーがいたことを忘れないようにしていただけると、これ以上の喜びはありません」といった声明を発表。YouTubeのコメント欄やSNSには、故人を悼む声や今後のバンド活動へのエールが多く寄せられている。

ハイスタは1991年結成。メロコア(メロディック・ハードコア)ブームを牽引し、99年のアルバム「MAKING THE ROAD」はインディーズ流通では異例となる国内外計約100万枚の売り上げを記録した。人気絶頂のさなかにあった2000年に突如活動を休止し、ソロ活動に移行したが、東日本大震災を機に11年からバンド活動や音源発表を再開していた。ドラムの恒岡さんが亡くなったのは今年2月14日。死因は公表されていないが、51歳という若さだった。

「この曲がツネちゃんの遺作となります」

今月19日、難波さんと横山さんは新曲リリースに合わせて連名でコメントを発表。「皆さんへ 突然のことで驚かれるとは思いますが、ボク達Hi-STANDARDは新曲をリリースします。たった1曲ですがリリースします」「この曲がツネちゃんのHi-STANDARDでの遺作となります」とした。

レコーディングは昨年12月に行われたといい、その様子もYouTubeで公開されている。「このレコーディングでのツネちゃんはとても楽しそうで、充実した表情を浮かべ、ドラムはもの凄い切れ味でした。そしてツネちゃんもこの曲の出来にとても満足していたので、ボク達は何の迷いもなく『I'M A RAT』をリリースします」

「音源を聴いていただいて、映像を観ていただいて、恒岡章という不世出のドラマーがいたということを忘れないようにしていただけると、これ以上の喜びはありません」

新曲の公式動画のコメント欄やSNSには、ファンのコメントが溢れている。「ツネさんのドラムは唯一無二」「遺作だと思いたくない…」「自然と涙が溢れます」という声や「前進を選んだお二方を支持します」といったエールも目立った。

楽曲クレジットにアメリカの“恩人”の名

このI'M A RATの楽曲クレジットの作曲者欄に「Michael Burkett」の名があることが、一部ファンの間で話題になっている。アメリカの人気メロコアバンド「NOFX」のリードボーカルであるファット・マイクの本名だ。キャリア序盤からアメリカでの活動にも注力したHi-STANDARDにとって、マイクは恩人のような存在。彼がハイスタの才能を見初め、自身のレーベル「Fat Wreck Chords」に所属させた。両者は数々のステージで共演経験があり、過去にも難波さんは「マイクがいるからこそハイスタがあって今の俺らがいる」という趣旨の発言をしていた。

SNSでは「曲の随所にFat Wreck Chordsっぽさも感じとれるのがマジで泣ける」といった投稿があった。恒岡さんの遺作となってしまった「I'M A RAT」だが、図らずも制作にマイクが関わっていたことに「因果を感じてしまう」という声もあった。

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音楽番組専門チャンネル「スペースシャワーTV」は「I'M A RAT」のリリースを受け、同曲のリリックビデオを含めた1時間に渡るミュージックビデオ特集を緊急編成。番組タイトルは「Hi-STANDARD MUSIC VIDEO SPECIAL」で、4月25日の21~22時に放送される。

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