多くの人が子供時代に使ったことがあるであろうジャポニカ学習帳。
ショウワノート株式会社(富山県高岡市)が1970年に発売して以来、学習帳のトップブランドとして知られる商品だが、今SNS上ではそんなジャポニカ帳に写真を採用されたことを喜ぶ写真家の投稿が大きな注目を集めている。
「聞いてください。小学生のころに使っていたジャポニカ学習帳の表紙が自分の写真になるという夢みたいなことが起きました。」と紹介したのはNHK「イナガキヤストの本気旅」など多彩な活動で知られる人気写真家のイナガキヤストさん(@inagakiyasuto)。
ジャポニカ学習帳の見慣れたグリーンの縁取りの中におさまるイナガキさんの数々の写真。これらはいずれもショウワノートの本社所在地であり、イナガキさんの出身地でもある富山の風景をおさめたものだそうだ。
今回イナガキさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「このジャポニカを使う小学生がうらやましい!イナガキさんの写真、大好きです。今すぐ富山に行きたくなります。」
「東京在住なので日本橋とやま館で購入しました。ノートは右開き左開きが可能なように裏表写真なのですね!撮影地やイナガキさんのコメント、解説も載っていて思わず小学生になった気分で読んでいます。お店の方が取り置きされている人もいる、とおっしゃってましたよ。」
「ヤストさん、素晴らしい写真とノートですね。子供たちも富山を誇りにも思う素敵なノートです。夢の実現もおめでとう。」
など数々の称賛と祝福の声が寄せられている。
写真家に聞いた
イナガキさんに話を聞いた。
ーージャポニカ学習帳に写真が採用された経緯をお聞かせください。
イナガキ:小学生の息子がジャポニカ学習帳を使って勉強しているのを見て「いつかここに自分の写真が入ったらいいな」と思っていました。もちろんそんなに簡単なことではないと分かっていたので、思いだけ持ったままでしたが、昨年春にたまたまショウワノートの片岸会長のアカウントをFacebook上で見つけてDMで思いをお伝えしたところ、「ジャポニカ学習帳のオファーは沢山ありますがお断りしています。せっかくなので一度富山にある本社工場の見学はいかがですか?」というお返事があり本社工場を見学させていただくことになりました。
ーー見学していかがでしたか。
イナガキ:ノートがつくられている現場やジャポニカ学習帳の歴史などを知るうちに、ノートの最初と最後についている「百科」が大切だというを理解しました。そこからいろいろお話をさせていただくうちにショウワノートさんから「やりますか?」というお話をいただきました。その時点ではジャポニカ学習帳に自分の写真を、というのは諦めて、せめて自分の写真を使ったノートの生産を依頼して作ってもらおうと思っていたので驚きました。信じられない夢のような気持ちでした。
ーーご家族や身近な方などの間に反響はあったでしょうか?
イナガキ:ものすごくビックリしていました。子どもは毎日ジャポニカ学習帳を使って勉強していますし、大人ももちろん小さい頃に皆使って育っています。まわりの人は全員興奮してました。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
イナガキ:こんなにバズるとは思ってませんでした(笑)。いつも投稿へのコメントや引用リツイートには全て返信しているのですが全く間に合わないくらい沢山の感想をいただいています。県外の方からも「どこで買えるんですか?」や、自分が育った富山の風景を子どもや友達に自慢するのに欲しいという声がたくさんあります。昔から応援してくださっている沢山のフォロワーの方々も凄く喜んでくれて、とても嬉しい気持ちです。それだけ皆がジャポニカ学習帳を使って育ってきたんだなと感じました。
ーー富山の風景が注目されるのはうれしいことですね。
イナガキ:このノートを使った富山の子どもたちが「自分の地元ってこんなに凄いんだ!」と感じ興味を持ってくれたらいいなと思います。そして学習帳を通じて少しでもその子たちが地元に誇りを持った大人に育ってくれるきっかけになれば嬉しいです。最近は大人も文字を書くことが少なくなってきていると思いますので、これを機会にノートで字を書くというのことを楽しんでくれたらいいですね。個人的なことですが、小学生の息子が自分の撮った写真のジャポニカ学習帳で勉強してくれるのが最高にうれしく夢のようです。
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イナガキさんは昨年12月21日に、富山の風景や写真家としての原点である家族の写真をおさめた写真集「#ぼくたちの大切な時間」(KADOKAWA)を出版。今回話題になったジャポニカ学習帳の写真も全て掲載されているので、ご興味ある方はぜひ手に取っていただきたい。
イナガキヤストさん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/inagakiyasuto
公式メールアドレス:info@inagakiyasuto.com
「#ぼくたちの大切な時間」(KADOKAWA):https://amzn.asia/d/hG9AvkP