ユーザーの心をつかむペットボトルラベル
ユーザーが楽しめるように作られているペットボトルのラベルが今、話題である。有名なのは1989年から続く「おーいお茶」。ラベルに一般の愛好家から募集した俳句を掲載している。選ばれて掲載されるのは2000句。2022年には149万句の応募があったそう。
20年までクリスマスシーズンに販売されていた「コカ・コーラ」のリボンラベルも違った角度でユーザーを楽しませていた。ラベルをいったん剥がし、仕掛けられたテープを引くとラベルが立体的なリボンに変化。その場を華やかな気分にさせてくれる効果があった。
ラベルの裏側にまで!
「伊右衛門」のラベルには2年前からおみくじがついている。はがすと裏にかわいいイラストとともに大吉や中吉などの文字が。今年2月に関西限定で発売されたばかりの「伊右衛門関西ほうじ」や「伊右衛門 京都ブレンド」にも同じようにラベルにおみくじがついている。
ちなみに裏面イラストは「伊右衛門」が<日本の文化や縁起物>で、「伊右衛門 京都ブレンド」は<日本のことわざ>がテーマ。ペットボトルコーヒーの「クラフトボス」も今月7日のリニューアル発売とともにラベルを一新。コーヒーを飲みきるとラベル裏に隠されたイラストが浮かび上がり、ボスおじさんが少しにニヤリとしてしまう変化を遂げる。
ラベル進化がSDGs?
ユーザーを楽しませたいことから進化したラベル。特に伊右衛門やクラフトボスの“ラベルをはがして楽しむ”というアイデアは、ペットボトルのリサイクルへ結びつくのではないかと考えている。リサイクルでは、キャップをはずし、ラベルをはがして分別することが重要。おみくじやラベル裏に隠されたボスおじさんが、第一歩目のはがすという行動を自発的にやってくれるという効果を生んでいる。それがキャップを外し、分別するという意識になっていけば、SDGsにも繋がっていき、世の中にとって、いろいろな意味でハッピーな大吉状態になっていくのではないだろうか。
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▽取材・文/髙田 強
フードライター。関西エリアを中心に雑誌やwebで飲食店やフードトレンドについての記事を執筆。現在は「関西ウォーカー」や「おとなの週末」、「SKY WARD」、などの雑誌、情報誌に寄稿。約月1回ペースで登場する関西テレビ「よ~いドン!などのテレビ番組にグルメ情報のナビゲーターとして出演。