2023.03.11(Sat)

「デザインボトル」「黒いマリトッツォ」…SNSで話題の新感覚・京都発カフェブランドが東京進出へ

今、京都で爆発的な人気を集めるカフェブランドがある。そのブランドの名は「Coffee Base」。

2018年5月、京都・四条烏丸に旗艦店「Coffee Base KANONDO」をオープンして以来、口コミやSNSによって急速に認知度を高め、わずか数年のうちに京都市内のみならず大阪府枚方市にも支店を出店する破竹の勢いを見せている。

Coffee Baseの魅力は自家焙煎だから出来る多彩なメニュー展開と、少しトガった感性を感じるファッション性。

Coffee Base BnA（京都市下京区）では、「黒いマリトッツォ」など写真映えするスイーツや、Coffee Base KANONDOとCoffee Base HIRAKATASHIEKI（大阪府枚方市）は、月定額制のサブスクリプションなど、時代のニーズにも巧みに寄り添っていて、若者からの支持が特に高い。オーナーの鬼追善久（きおい・よしひさ）さんにお話を聞いた。

――旗艦店「Coffee Base KANONDO」は一見、民家風の建物の3階。入口も薄暗い階段があるだけなので、気を付けて歩かないとうっかり見過ごしてしまいそうな立地です。

鬼追：KANONDOはテイクアウトやコーヒー豆の販売がメインのコーヒースタンドというコンセプトです。と言っても、たまたま気に入った物件のスペースに合わせてそうなったというだけなんですが（笑）。気付いてもらいやすいようHIPHOPを大きめにかけたり、SNSに力を入れたところ反響があり、開店当初から集客にはあまり困りませんでした。

――お客さんの層はどんな感じでしょうか？

鬼追：初めは音楽やストリートカルチャーが好きな層に向けていたつもりだったんですが、意外に一般的な幅広い層のお客さんにお越しいただいています。年配の方でもわざわざ階段で3階まで上がって来てくれるので有難いですね。中がどうなってるか分かりにくい分、ワクワク感があるのかもしれません。

――京都って伝統文化のイメージが強いですが、意外にポップで新しいもの好きの方が多いですよね。鬼追さんとしてはお店のどんな要素がお客さんに響いたんだと思いますか？

鬼追：一見チャラチャラしているように見えて、仕事はしっかりしている意外性でしょうか。接客スタイルや、お店の内装、容器のデザインにもこだわりますし、なによりコーヒーの味には自信があります。

――どんなコーヒーの味を理想とされているのでしょうか？

鬼追：「この味を飲んでほしい」というのじゃなくて、コーヒー豆の種類や煎り加減を多彩にして、お客さんごとに合った味を提供したいという方針です。珈琲焙煎機メーカー「ダイイチデンシ」代表の中小路さんという方と懇意にしていたご縁で Coffee Base KANONDOでは「NOVO MARK2」という自動コーヒー焙煎機を導入しています。

専門知識が無いスタッフでもプログラミング次第で自由自在な自家焙煎ができるこのマシンをフル活用して、浅煎りから深煎りまで、焙煎したての新鮮なコーヒー豆を常時10種類以上揃えています。

――話題になった「黒いマリトッツォ」など、スイーツも多彩ですね。

鬼追：KANONDOには基本的にスイーツは置いていないのですが、「Coffee Base BnA」、「Coffee Base NASHINOKI」などの支店では積極的に取り組んでいます。Coffee Base NASHINOKI（京都市上京区）は、京都三名水のうち現存する唯一の名水「染井の水」があることで有名な梨木神社の境内にあるので、老舗の和菓子店に依頼して作ってもらったオリジナルの栗まんじゅうなど和風のお菓子も提供しています。名水で淹れた水出しコーヒーも人気です。