「女湯サウナにて不快な思いをされた方がおられます。本当に申し訳ありませんでした。サウナ席の場所取り発覚時には対処しますのでスタッフまでお声がけ下さい。」
SNSで呼びかけたのは、京都 玉の湯(@kyoto_tamanoyu)。京都の街中にある明治創業のお風呂屋さんには、場所柄、ご近所に住む人や観光客など多くの人が訪れますが、時には頭を悩ませる問題も。
サウナ室利用の際、「私が確保していた場所に勝手に座らないで!」と常連と思しき人から一方的に責められたというお客さんの書き込みを見て、即座に対応姿勢を打ち出した京都 玉の湯に取材しました。
常連さんも新規の方もお風呂を楽しんでもらいたい
女湯のサウナ室で、利用客同士の揉めごとがあったのを知ったのはネットサイトへの書き込みだったそうです。
「常連の高齢の方々、マナーが無さすぎます。サウナはただでさえマックスで4人しか入らないのにサウナマットで場所取りされていました。あまりにも混んでいたので場所取りされてた場所に座ったら戻ってきた常連さんにめちゃくちゃ文句言われました…。カランでも場所取りがすごいですし、若者が行くところではなさそうです。気持ちよくなりに行ったはずなのにとても不快でした」と綴られていました。京都 玉の湯ではすぐに「サウナ室での場所取りは禁止です。もし行われていた場合は番頭までお知らせいただきますようお願いいたします」と明記した貼り紙を作り、サウナ室で掲示。
同時に、サウナ室に掲げられた貼り紙の画像をTwitterに投稿しました。
「常連さんはほぼ毎日来てくれるけど、一見さんは大体その日限りというのが多いので悩みどころですね。常連だからと常軌を逸した場所取りとかはどうか」
「常連の方の洗い場やロッカーなどのお気に入り場所の譲らない感」
「常連さんに、シャンプー中、後ろで立って待たれた。毎日のことだから愛着が強くなりやすいのかな。もう少し広い心でいてほしい」
「わざわざ服を着て番台まで言いに行くのも…てことで、諦めちゃいます。せめて内線とかで連絡できるといいのですが」
「確かにマナーの悪い人もいる しかし、それは常連さん以外の人にもあること 譲り合いの精神があれば」
投稿には、いろいろな声が集まりました。
SNSに投稿したのは、良識ある行動を一人ひとりが心がけて欲しい、また不愉快な思いをした時はためらわずに番台のスタッフに伝えて欲しい、との思いから。
貼り紙掲出後は、場所取りについてトラブルを訴える声は出ていませんが、「もし、場所取りしている方がいれば、注意します。書き込みにあったように他のお客様に危害を与える方は出禁もありえます」と強い姿勢を崩さない構え。
「常連さんと新規のお客様、同じように大切な存在」だと考え、「常連さんのマナーには注意しづらいことはありますが、当店ではキチンとお話するように意識しております」
100年以上、この地で日常的なコミュニティやリラクゼーションの場として愛されてきた京都 玉の湯は「銭湯としては狭い」と話しますが、手入れの行き届いた明るく清潔な空間。男湯・女湯それぞれに、深風呂・浅風呂・水風呂・ジェット風呂・電気風呂・サウナがあり、貸しタオルやシャンプーなども取り扱っています。鴨川や御所をジョギングするランナーズステーションとして利用する人も。また、「子どもの多い地区なのでお子様へのオモチャ貸し出しサービスなども。子ども連れが利用しやすい店をめざしています」とのこと。
自分が所有しているかのようにその場所を使う、自分が店のオーナーであるかのように振る舞う…。多くの人が利用する公共施設・公共機関などでのいき過ぎた行動はしばしば問題になります。京都 玉の湯も「皆様が気持ち良く過ごせる様に思いやりの気持ちを持って頂けると嬉しいです」と願っています。
■京都 玉の湯 Twitter @kyoto_tamanoyu
■京都 玉の湯公式サイト http://kyoto-tamanoyu.com