歓送迎会の季節ですが、お店を決めるときにインフルエンサーの情報を頼りにする人もいるのではないでしょうか。キラキラと華やかな生活と情報を発信するインフルエンサーは、今の時代では憧れの存在かもしれません。しかし、身近にインフルエンサーがいると、その裏にある現金主義的な一面を垣間見ることがあるようです。
Mさん(東京都在住、20代・事務職)には、有名なインフルエンサーの友人Aさんがいます。Aさんは外食好きで、来店したグルメ情報を毎日のようにSNSに投稿しています。最初は趣味で始めたSNSでしたが、次第にフォロワー数が増えて、今は10万人を超えるのだとか。グルメ雑誌などメディアからの取材依頼もあるようです。
ある日、Aさんに誘われてMさんはランチに行きました。3千円のランチコースは、Mさんにとってかなりの贅沢です。それでも美味しかったので大満足したMさん。お会計の準備をしようとすると、Aさんから「無料だから大丈夫」と言われました。
Aさんは事前にお店に連絡をしており、自分のSNSに紹介するから無料にしてほしいと交渉していたとのこと。「自分はインフルエンサーじゃないのに…」とMさんは少し気が引けましたが、ランチ無料は純粋に嬉しかったようです。
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その1カ月後に、Mさんは再びAさんからランチに誘われました。行きたいお店を聞かれたので、Mさんは前々から気になっていた店名を伝えます。すると「お店に連絡して、紹介するから無料にしてもらうようにお願いしておくね」とAさん。
何度も無料でランチをするのに抵抗を感じたMさんは「なんだか申し訳ないから…」と、遠回しにお金を払う意思を伝えます。しかし、Aさんは「PRだから大丈夫だよ」と無料で食べる気満々です。自分はグルメインフルエンサーだから、無料の外食は当たり前だと考えているようでした。
Mさん「自分の頭が固すぎるのかな…」
結局、AさんはMさんと再び無料ランチを食べたそうです。Aさんは好意で誘ってくれているので「無料だと気が引ける…」と思っていても断り辛いのでしょう。Mさんにはインフルエンサーの世界がわかりません。それでも、無料前提のAさんに疑問を持ってしまうMさんは「自分の頭が固すぎるのかな…」と、私に悩みを打ち明けてくれました。
Aさんとお店側の目的が一致し、快く同意した上で無料ならば問題ないのかもしれません。それでも、無料の嬉しさとモヤモヤを抱えるMさんでした。