「鶏ってこんなにカッコよかったっけ??」「これは若冲…」日本鶏の写真に驚き 鶏の沼は深かった

太田 浩子 太田 浩子

「かっこいい
夕暮れ時の鶏さん」

というコメントとともにツイートされた1枚の写真が、素敵だと話題になりました。夕焼けに染まるススキをバックに、黒色の長い尾をたらした赤いトサカの立派な鶏が堂々とポーズをとっています。

「すごい、カッコいい!鶏ってこんなにカッコよかったっけ??」
「これは若冲…」
「大きな鶏さんを夕暮れ、木の角度、揺れる草達がより一層鶏さんを際立たせていてもはや芸術です。これはさすがにバズり鶏さんです🙇‍♂️🙇‍♂️」
「伊藤若冲の絵ですか✨ 綺麗で気品がある」

などと、美しさに息をのんだというコメントが寄せられて、3.8万を超える「いいね」がつきました。

 ツイートしたのは、鶏の沼にズッポリハマっているという「ダイオウイカ(@daiouika0316)」さんです。現在20種の鶏を300羽弱飼っていますが、鶏で収入を得ているわけではないそう。

 鶏を飼うきっかけは、「こだわりの美味しいTKGが食べたかった」(TKG:卵かけご飯)だったと言います。ところが卵を買って孵化させたら可愛さにメロメロになり、成長した姿にも魅了されてしまいました。

「ネットで他にもいろんな鶏が存在するのを知って『どんな鶏か実際に見てみたい!飼おう!』ってことで孵化させてどんどん沼の底に…今も飼いたい鶏が多いですが世話も大変になってきたので我慢してます。本当に底なし沼です」(ダイオウイカさん)

 写真の鶏は、天然記念物にも指定されている小国鶏(しょうこくけい)という品種です。お米を作る農家さんだというダイオウイカさんにお話を聞きました。

──日本鶏の魅力はどんなところなのでしょう?

 日本の在来種の多くは有名な尾長鶏をはじめ「小国鶏」の血を引く鶏が多く、海外の鶏に比べ尾羽や腰のあたりの蓑(みの)と言われる羽根が長い鶏が多くそれゆえに、トサカから尾羽までの流れるような曲線的なスタイルがとても魅力的です。チャボにいたっては小柄で短足で丸っこくそこら辺を歩いているだけで可愛いです!

 在来種もいろんな鶏がいて、どれもこれも魅力を語ったら朝まで語れるぐらいなので…。強引に一言でまとめるならどの鶏たちも『存在感』がありカッコいいんです!

──たしかに色も綺麗な種類が多くて、立派でかっこいいです。

 私にとっては、小国鶏をはじめ他の日本鶏も後世の日本に綺麗な姿を残し、いつの日か新しい世代でまた鶏の魅力や価値が再認識され飼育者が増えてくれれば嬉しいです。

 日本在来の鶏の飼育者は年々少なくなっていますし、飼育者が少なすぎて絶滅しそうな品種も多いです。金魚、錦鯉、盆栽、と同じく日本の鶏も日本で進化を遂げたひとつの文化だと思いますので、どの日本鶏も後世に良い個体を残したい大事な存在ですね。

──こんなに美しい鶏がいなくなってしまったら、本当にもったいないです! ツイートを見て、鶏がかっこいいと思った人が多くいました。

 褒めて頂いて素直に嬉しいですね。主に『若冲が描きそうな構図だ』『時代を越えて若冲の新作』的なコメントが多かったので、伊藤若冲好きには嬉しいことこの上ないですね。なかには写真をモチーフに『描いてみたい』という方や、既に描いてくれた方もいて創作意欲の刺激になれたのかと思うのも嬉しかったですね。

──鶏を肩に乗せて、黄金色に輝く稲穂に立つナウシカみたいな写真もありました。鶏は懐くのですか?

 個体にもよるのですが、鶏は思った以上に人懐っこくて、猫の様に膝に乗って寝たり、人間が横になってると胸や背中や脇の間に入ってきてくっついてくる子もいます。私の後ろをついて回ったり、畑から帰ってきたのに気づくと駆け寄ってくる子もいたりと可愛くて仕方がない!!(笑)

 ◇ ◇

 鶏愛にどっぷりハマるダイオウイカさんは、日本鶏の写真を日々ツイートしています。「鶏の魅力を知って頂きたく自己満足で、SNSに写真の投稿と言う形で鶏の魅力普及活動をしています。日本鶏に興味ある方や、絵のモチーフの参考したい方などがフォローしてくれると嬉しいです」と話されていますので、かっこいい鶏たちをご覧になってみてくださいね。

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