「やらん子は何してもやらん!」…現役ママのアドバイスに「心が軽くなる」「これでいいんだ」 1歳児の大好きレシピに「おやき→口には入れないよ、粘土だもん」!?

宮前 晶子 宮前 晶子

妊娠中から出産、産後まで、子どもを育てる過程では、さまざまな疑問が次から次へと出現するもの。悩めるパパママのための、育児サイトや育児書はたくさんあります。そんなとき育児書通りにいかずに心配してしまう人も。

そんなとき「世界一役に立たない育児書がほしい」とツイートし、イラストを投稿したかねもとさん。
「大体が原型を留めないかお供えものになる!『1歳児のレシピ』」と題して、
「牛乳→こぼしてべちゃべちゃに食べるのが大好き」
「白身魚のムニエル→昨日は食べなかったから少なめに作ったときに限ってたくさん欲しがってギャン泣き」
「じゃがいものおやき→ねんどみたいな感触でにぎにぎ★口には入れないよ。ねんどだもん」
「ほうれん草とわかめのスープ→一切口をつけないので! テーブルが汚れなくてGood!!」と、思わぬ意味での大好きレシピとなっています。

また番外編として
「ほこり→気づいたら食べてる。めっちゃ部屋掃除しても食べてる」
「適当に作った料理→適当に作った料理に限ってすごい食べるし、次に再現できない」と加えています。

こちらを投稿したのが約3年前。「作るしかない」「これめっちゃ欲しい!素敵!妊婦さんやその家族には下手な妊娠本やサイトより絶対いい。変なの参考にするより絶対分かりやすいしリアル!だって「個人差」だもん!!(これが超重要)」「今一番読みたかった育児書です!!ありがとうございます!!!」という声に押されて、ついに「育児書」の発行が実現してしまいました。

「悩めるパパママにそっと寄り添う育児書」を目指した著書のかねもとさん(@kanemoto_notice)に、育児書に込めた思いを聞きました。

「私自身、落ち込まない育児書を読みたくて」

「安産のためにはこうすべき」「帝王切開は甘え」「0歳から~をさせた方が良い」「子どもが泣くのはパパママのイライラが伝わっているから」など、巷には妊娠や出産、育児中にまつわる真偽不明な説があふれています。さまざまな情報に触れることで、「うちの子はまだできない」「成長が遅いんじゃないかな」「保護者失格かも」などと、さらに落ち込んでしまうことは少なくありません。

東北で暮らしながら、2人の子どもを育てるかねもとさんもそんなひとりでした。「育児で困ったことがあると、育児書や育児雑誌、育児サイトなどで情報を集めていました。“こうすれば、うまくいく”と成功を伝える方法を我が子にやってみても、その通りにいかないことが本当に多くて。そのたびに、自分を責めたり、“子どもになにかあるのかな”と落ち込んだりしました」。

自分が読んでも落ち込まない育児情報を!と考えたかねもとさんのツイートをきっかけにWEBで連載することとなり、「これは、お母さんを救う書!」「これくらいのゆるさが必要」「めっちゃ笑えます」と共感が拡散され、この度、新たに書き加えての書籍化となりました。

赤ちゃんのからだ、育児中の住まいのインテリア、子どもの食事に関するお悩み相談、子連れコーデ、寝かしつけ、トイレトレーニング、ワンオペ対策など、取り上げる項目は子育て中のパパママが抱えがちな悩みばかり。

例えば「歯磨きのときのイヤイヤが、泣いて暴れてすごいです。もっとスムーズに歯磨きできる方法はありませんか」とママならだれしもが抱える悩みについてなんと答えるでしょう?

かねもとさんはこう答えます。
「いくら嫌がっても歯磨きはしなくちゃいけないから困りもの、そんなときには…大人が見本を見せてあげましょう。
大きく口を開けて楽しく磨いているところを見せてあげるとマネをしてくれるかも。
そのうち親が磨き出すと自分から歯磨きを持って…
くるかどうかは運次第ですが
親の歯は健康になります」と書き、最後の締めは「やらん子は何してもやらん!」と結んでいます。
なんの解決にもなりませんが、頑張ったとしてもなんともならないんだと「ホッ」とさせてくれます。

理想と現実はやはり違う、そこで大事なのは

「まずは、よくある育児デマや子育て情報をいろいろまとめて、そこからテーマを選んだり、私が育児をしていくなかで感じたりしたことを落とし込みました。私がネタを書いたあとに、余りにマニアックではないか、個人的主観・主張がすぎないかのバランスを担当さんといっしょに調整していきました」とかねもとさん。

もちろん、自身のエピソードも盛り込まれています。「おやこおでかけマップ(114-115p)は、私の体験談です。あちこち連れていっても親の期待通りには遊んでくれないなあ、と思うことが第一子のときは多かったので。今は親子で楽しく過ごせればなんでもいいということがわかるのですが、当時は“私が選んだ場所がよくなかったのかな”とか“他の子は楽しそうなのにうちはどうして…”と悩んでいました」と話します。

また文章を書く上で心がけたのは、「“その辛さも今だけ!”“よい思い出になりますよ”というような、今の辛さをないことにするような書き方は控えました。自分が言われて辛く感じた言葉だったので。また、妊娠・出産・母乳などどうしても母親でなければならないテーマを除いては、ママに限定せず、パパ・ママでバランスがとれるようにしました」。

育児に真剣に向き合うパパ・ママは、子どもの成長を願うあまり、壁が生じると自分を責めてしまいがちです。かねもとさんはこう言います。「育児書・アドバイスには、とても立派です的で役立つものがたくさんありますが、そればかりでは疲れてしまうし、がんばれないときもあります。そんなときに箸休めとして、肩の力を抜いて、お楽しみいただければ」

イラストやコラム、ミニゲームなども盛り込んだ全ページは読み応えがあり、声に出して笑える、でも、力をもらえる!構成。育児に悩んだときは「これでもいいんだ」「大丈夫」と思えますように。「世界一役に立たない育児書」(白泉社・1320円)は9月6日発売。

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書籍「世界一役に立たない育児書」

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