割り箸を使ったギター演奏動画がSNS上で大きな注目を集めている。
「1年間割り箸でギターを弾き続けた成果がこれです」と件の動画を披露したのはミュージシャンのChee'zさん(@loveandcheese_)。
ピック代わりに割り箸でご飯をつまむようにギターを演奏するChee'zさん。絵的にはなんとも珍妙だが、ピックで弾くより暖かく、指で弾くより繊細なその音色とChee'zさんの確かな演奏技術は、かつてない魅力的な世界観を醸成しているのだ。Chee'zさんの投稿に対しSNSユーザー達からは
「なんか。手と違ってどこか、優しい音に聞こえるのは僕だけであろうか。」
「単なるアクロバット奏法ではなく割り箸を使う必然性がある音色・演奏になってるの凄いですね。綺麗な音」
「食事中突然ギター弾きたくなった時に便利ですね」
「箸の持ち方綺麗←そこ?元々お上手だったんだろうけど、一年間の積み重ねがやっぱり大事なんだなぁ!」
など数々の絶賛の声が寄せられている。
Chee'zさんにお話をうかがってみた。
ーー割り箸でギターを弾こうと思われたきっかけをお聞かせください。
Chee'z:100円もお金が無かったときにピックを買うかカップラーメンを買うかで食欲に敗北し…贖罪として栄養失調気味の回らない頭でカップラーメンについてきた割り箸でギターを弾き始めました。
ーー割り箸で演奏するにあたりご苦労されたポイント、こだわられたポイントなどお聞かせください。
Chee'z:やはりギター弦のように細く固定されているものを箸でツマむということですね。僕らの文化圏では箸を扱うことはあっても、ギターを弾くために必要な弾いたり引っ掛けるといった行為は寄せ箸や叩き箸だと言われてタブーでした。こういったマナーが割り箸でギターを弾くある種の抵抗感になっていると思っていてそういうものを払拭するところが一番大変でしたね。
ーー割り箸演奏の魅力についてお聞かせください。
Chee'z:箸でギターを奏でることで生じる僅かな擦過音が独特のリズム感となり、また弦の上をスライドさせたときにボトルネックのようなムーディーな感じを演出できるところが魅力だと思います。
ーーこれまでのコメントや反響へのご感想をお聞かせください。
Chee'z:「音が綺麗」や発想を誉めていただいたりしているものが多く、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。中には「箸の持ち方が綺麗」というコメントもあって、両親がちゃんと箸を持てるように一生懸命教えてくれたから今があるんだと思って感謝の気持ちでいっぱいです。
◇ ◇
なお今回の動画で使用している橋はローソンで配られている丸箸とのこと。音質を重視するなら角箸、弾きやすさを重視なら丸箸がおススメで、塗り箸は引っ掛かってしまうのでスライドが難しいそうだ。今後もChee'zさんの割り箸ギターのさらなる進化を楽しみにしたい。
なお、Chee'zさんは今回の反響に乗じて割り箸業界のPRがしたいとのことで
「一時期のMy箸ブームで潰れてしまった品質のいい割り箸メーカーは多いです。でもその中でも持ちやすく軽くて丈夫な箸を作ってくださっている割り箸業界をもっと広めたいんです。私はローソン製の割り箸を使用しているんですが、竹製で最初からセパレートされていて丈夫で扱いやすいのでぜひ皆様に使ってみてほしいです!」
と熱いメッセージを託してくれた。一膳の割り箸にも製造者をはじめ多くの人の情熱や思いが込められていることをあらためて胸に刻みたい。
Chee'zさん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/loveandcheese_
YouTubeアカウント:https://www.youtube.com/channel/UCjMrpfhIztmYBEemrH1VDpg