現在、島根県・鳥取県の県全体で、スターバックスはそれぞれ4店のみ。それをたった1つの商業施設で上回るのがJR大阪駅のファッションビル「ルクア大阪」(大阪市北区)だ。5店あり、2月25日には6店に。日本一スターバックスの店舗がある商業施設として、記録を更新する(2022年2月時点)。
ちなみに、このエリアがスターバックス不足というわけでは決してない。大阪・梅田の大阪市北区には25店。ほぼ各商業施設にあり、ちょっと歩けばスタバに出合える状態となっている。
スターバックスは確かに人気だ。ただ、本当にそんなに必要なのか? 1つの施設になぜ6店も密集することになったのか…商業施設とスターバックスの各担当者に話を聞いた。
カフェ需要に応えるため増えたスターバックス
最初から「ルクア大阪」にこんなにスターバックスがあったわけではない。2011年の開業時は9階の1店のみ。同施設は開業時の目標として初年度は客数1900万人を掲げていたが、瞬く間に突破し4060万人に。また、周辺エリアが活気づくにあたって問題となったのが、「カフェが足りていない」こと。満席で行列ができることも珍しくなかったという。
そこで、2015年に西館「ルクアイーレ」が開業する際に、メインエントランスである2階入口すぐそばに、オフィスワーカーらにすぐ対応できるようテイクアウト専門店を。そして、ゆったりくつろいで利用できるように、同じ2階の奥にオープン。客が自分のスタイルに合わせて使い分けできるようにしたそうだ。
同年5月に登場した「蔦屋書店」内に、本とコーヒーを楽しめる場として4店目。2018年に地下2階に次世代の新しい食をテーマとしたフードホール「LUCUA FOOD HALL」内に5店目をオープン。こちらはこれまでと業態が異なり、西日本初の「スターバックス リザーブ(R)バー」を併設した店舗。ここにしかない独自のメニューで、専門性の高いコーヒー体験を目指している。
はたして、利用者がどこまで意識しているのかは分からないが、さっとテイクアウトできる2階の店舗は会社員が多く、9階の1号店には一部ソファ席もあるためママと子ども、ファミリーで訪れる人が多いそう。そして、平日夕方に各店を見比べてみたのだが、いずれも満席に近く、需要がしっかりとあることを実感させてくれた。
西日本初の業態が新たに仲間入り
そして2月25日に6店目として登場するのは、お茶に特化した「スターバックス ティー & カフェ」。2020年に東京で誕生してから3店目となり、こちらも西日本初登場だ。
同施設の担当者は「出店していただく場所は、大阪駅や私鉄などの改札からもほど近く、様々な層の方の流動がある場所。その特性を踏まえると、ひとめで分かるような認知度、テイクアウト利用もできるお店であることが重要だと考え、スターバックス様にお声がけさせていただきました。他の5店舗とは違う、ティーに特化し、みなさまに新しく楽しい価値を提案できるお店になると思います」と説明する。
ブラックティー(紅茶)・ハーブティーはもちろん、ティーラテやフラペチーノ(R)としてティーの魅力を発信する「スターバックス ティー & カフェ」。「ティーメニューは根強い人気で、これまでも抹茶やほうじ茶を使ったティーラテやフラペチーノ(R)を展開してきました。さらに「お茶派です」という人に向けて新たな提案をしていきたいと思います」とスターバックスの担当者。
こちらでは、2016年からスタートしたティーブランド「ティバーナTM」の茶葉を使用し、「シトラス ラベンダー セージ」にシトラス果肉とルビーグレープフルーツのジュレを加えたブレンドティー「ゆず&シトラス ラベンダー セージティー」(店内利用649円、テイクアウト637円)や、ほうじ茶をベースに生姜や山椒などを組み合わせた「ジャパニーズ チャイ ティー ラテ」(店内利用649円、テイクアウト637円)といった、スイーツ感覚のドリンクも楽しむことができる。
「いろんなスターバックスが楽しめるので、ぜひ気分に応じて使い分けていただければ。いろんな層に満足していただける場でありたい」と担当者は話し、今後、増える可能性については、「こればかりはご縁なので…」とのことだった。
(注:商業施設としてはルクア大阪が日本一だが、施設として多いのは7店ある成田空港となっている[一部店舗休業中])
「ルクア大阪」
住所:大阪市北区梅田3-1-3
電話:06-6151-1111(大代表)
https://www.lucua.jp/
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・増田未苗)