北海道の小さな郵便局の局長さんが作った雪像が「すごい完成度!」「かわいい」「もはや(さっぽろ)雪まつりだ」とTwitterで熱い注目を集めています。完全に素人離れしたクオリティと大きさで多くの人の目を釘づけにしたのは、子供たちに大人気の「PUI PUI モルカー」や「すみっコぐらし」の雪像。「毎年お上手です!!」とTwitterに投稿したこいもぐさん(@gokkoumai)と、この時期に雪像を作り続けて実に四半世紀近くにもなるという釜谷簡易郵便局(木古内町)の局長、安齋彰さんに話を聞きました。
地元ではおなじみの「雪まつり」
まずは、こいもぐさんから。
—関西在住の私は初めて見ましたが、地元の人にはおなじみの雪像なんですね。こいもぐさんも毎年楽しみにしておられるのでしょうか?
「はい、楽しみにしています! 私は郵便局から車で30分くらいのところに住んでいるのですが、私と同じようにドライブがてら見に行くという人も多いですよ。休日だと家族連れで訪れる人もいるくらい、こちらではみんな楽しみにしています。『今年は何を作るのかな〜』と話題にもなりますし、“プチ雪まつり”みたいな感じです」
—過去の雪像で特に印象に残っているものはありますか?
「2016年のNHKキャラクター『どーもくん』ですね。一緒にムーミンなどもいたのですが、私が『どーもくん』好きなので…。あとは2021年の『あつまれ どうぶつの森』もよく覚えています。どちらも二頭身のキャラがすごく可愛かったです」
—この機会に安齋さんに何かお伝えしたいことがあれば。
「再現度が高く、実際に存在しているような仕上がりで驚きました‼︎ 今年も可愛らしくて素晴らしい作品をありがとうございます‼︎」
「ひとり雪まつり」「雪像の人」こと安齋局長を直撃
人呼んで「雪像の人」、名物局長の安齋さんにも電話で取材しました。
安齋さんが我流で雪像作りを始めたのは1998年から。記念すべき1発目は、まだ小さかった自分の子供を楽しませるためにピカチュウやアンパンマンなどを題材にしたそうです。「去年も喜んでくれたし、今年も作るか…」と続けるうちに、すっかりこの“ひとり雪まつり”が恒例行事として定着。近所の人たちや地元メディアの期待も大きいといい、「成長した自分の子供は喜ばなくなりましたが、雪像作りはむしろやめられなくなってしまいました(笑)」。
何年も続けているだけあって、雪像作りの腕はメキメキ上達。題材選びのセンス(イカ娘!ポプテピピック!)にもどんどん磨きがかかっていきます。
「雪像作りのコンセプトは『同じものは二度と作らないこと』、そして『子供が喜ぶ流行を取り入れること』です。これまでで一番反響があった、というか驚かれたのは2014年の『ふなっしー』。完成後にちょっと傷んでしまったんですが、ポスターカラーを使って“フルカラー”で作り直したんですよ」
「雪像は、雪をパネルで囲んでガチガチに踏み固めた上で、チェーンソーやのこぎりなどを使い分けて削っていきます。今年の制作日数は10日ほど。まだ短い方ですね。2012年の『侵略!イカ娘』には4週間くらいかかりましたから」
最後に、こいもぐさんの投稿がTwitterで大きな反響を呼んでいることについて、感想を聞いてみました。
「喜んでいただけて、とても嬉しい。それに尽きます。毎年そのために作っているようなものですから(笑)」
安齋さんによると、今年の作品はあと1週間ほどは綺麗な状態で鑑賞できそうとのことです。プイプイ!