「白菜は内側から使ってください!」農家さんの切実なお願い 「知らなかった」と驚きの声

太田 真弓 太田 真弓

お鍋や煮物、お漬物やサラダなど冬の食卓に出番の多い「白菜」に関する、農家さんからのツイートが話題を呼んでいます。

「カットされた白菜は 内側から使ってください!
内側から使ってください!
内側から使ってください!
その方が鮮度が長持ちします!
内側から食べることで外葉に栄養や旨味がとどまるので、
最後まで新鮮に美味しく食べられるのです。 ぜひ内側からお召し上がりください!」

新鮮な白菜を内側からもぎる写真と共に「農家からの切実なお願い」として投稿したのは、信州で小さな農園を経営しているマノマノさん(@manomano_farm)。1年くらい前にも同じよう内容のツイートをされたそうで、その時も「知らなかった!」の声が多くあり「まだまだ世に知られていない情報なのかな?」と思い改めてツイートしたのだそう。

「(がっつりと外側から使用中の白菜写真と共に)もっと早く教えてよ~W(手遅れ感満載w)」
「ええっ、外側から使っていました」
「外側から痛むと思っていました。これは白菜だけのことなのでしょうか?他の野菜も同じ理屈なのかな」
「いつも外側から使っていて一番内側に行きつくころには鮮度や旨味がなくなっていました!内側から使ってみます!」
「参考になります、いつも外側から食べていました」
「これからは中から使うようにします。情報ありがとうございました。知らないの私だけ?」
「目からウロコでした。一人暮らしで、白菜をいつも途中でダメにしていました。こんど試してみます。ありがとうございました」

リプ欄はこの白菜の豆知識に「知らなかった!」「教えてくれてありがとう」の声に溢れており、ちょっとした白菜レシピの交換や自宅にある白菜写真などでかなり盛り上がっています。今回の白菜アナウンスに関してマノマノさんにお話を伺ってみました。

――内側から食べると白菜にどんな効果があるのでしょうか?

白菜は収穫されても生きていますので、収穫されて命の危機を覚えると花を育て、種を作り、次世代へと命を繋げていこうとします。内側の一番真ん中にある、小さい葉っぱの部分に生長点があり、この部分へ外葉にある栄養をどんどん流そうとするのです。

内側から食べる(生長点をカットする)ことによって、それ以上は成長できなくなるため、外側の栄養や水分がそのまま残り、内側に移ってしまうのを防げます。

――カットされてない丸ごとの白菜はどのように食べるのが一番良いでしょうか?

すぐお召し上がりにならない場合は、新聞紙に包み0度〜5度で長期保存が可能です。こちら長野県の農家も春先まで保存させて出荷しております。丸ごとの白菜をすぐお召し上がりになる場合は、半分に切って内側からお召し上がりいただいた方が美味しさや鮮度が長持ちします。

――白菜をスーパーや八百屋さんで買う場合の、見分け方の良し悪しなどあればぜひ教えていただきたいです。

カットされている白菜は、断面が平らなものが鮮度が良い白菜の証です。カットされてから時間が経過してしまった白菜は断面が盛り上がってきており、鮮度や食味が失われている可能性が高いです。

――リプ欄が白菜を使ったレシピの共有や、自宅の白菜写真などで大賑わいです!マノマノさんがおすすめする白菜を使った簡単レシピがあれば教えてください。

「白菜とキノコの鶏豆乳クリーム煮」です!

■材料(2人分)
○白菜・・400~500g 
○舞茸・しいたけなど・・200g 
○鶏もも肉・・200g 
○水・・150cc 
○米粉(片栗粉でも可)・・大さじ2 
○豆乳・・500ml 
☆コンソメ・・小さじ2 
☆塩こしょう・・少々

1.白菜は葉と芯に切り分ける。葉はざく切り、芯は繊維に沿って縦に切る。
2.キノコと鶏モモ肉は、食べやすいサイズに切る。 
3.鍋にキノコ→白菜→鶏モモ肉の順番に重ねて、水を入れたら蓋をして煮る。 
4.沸騰したら弱火にして、肉に火が通まで煮る。 
5.煮えたら、米粉と☆の調味料・豆乳を入れ、トロッとしてきたら完成!

――もう想像するだけですごく美味しそうです。作ってみます!そういえば、以前の「白菜に『黒い点』があっても食べてください!」という投稿も大きな反響があったそうですね。

黒い点を避ける人もいるのですが、実はポリフェノールなんです。寒くなると出てくる生理現象で、甘みがある証拠。

こういった情報はなにも私が初めて発見した情報ではなく、お料理好きな方や農家の方などにとっては当たり前に知っている情報だと思います。でもそう思い込んで発信をせず、自分の中だけに留めておけば、今回知らなかった方にとってはずっと知らなかったこととなってしまうので、いい情報はこれからもシェアしていこうと思います。

――ちなみに、キャベツやレタスなどの葉物も同じく内側から使うべきなのでしょうか?

キャベツやレタスなどの葉物は芯抜きをするか、爪楊枝を刺しておくと長持ちします。刺したらキッチンペーパーで包み冷蔵庫で保存すれば、パリパリのレタスが食べられます!

――ちなみに、マノマノさんは何年前から信州へと移住され、何かきっかけがあって農業に従事されるようになったのでしょうか? もしよろしければ教えてください。

8年前に農家になるために東京から移住してきました。きっかけは3.11を経験したことによって自分にとってこれからの生き方や価値観や人生観がガラリと変わったことによります。「自分の手によって安全で安心できる野菜やお米を育てたい」と使命感を強く抱いたことが農家として生きていくきっかけとなりました。

――これから生産者として発信していきたいことや目標などがあればお聞かせください。

私の好きな言葉として「食べた物で体ができて・聞いた言葉で心ができて・発する言葉で未来ができる」があります。これからも受け取ってくださった方が少しでも人生を豊かに感じられるような、食べもののこと、心のあり方や、言葉のあり方を発信していきたいと思います。

◇  ◇

今、マノマノさんの農園では、ほうれん草、小松菜、ネギなどの葉物類や、大根、人参、カブなどの根菜類がおいしい時期を迎えているのだそう。特に今の時期は、野菜自身が「凍らないように」と細胞内に溜め込んできたでんぷんを糖に変えて糖分を増やし、自分の身を守ろうとすることから野菜に甘みが増しているのだとか。旬の野菜を新鮮なまま美味しく、たくさん食べて寒い冬を健康に乗り切りたいですね。 

【マノマノさん関連情報】

■Twitter https://twitter.com/manomano_farm/
■YouTube「信州いい暮らし」 https://www.youtube.com/channel/UCv4WPDIXbLzm7cw6_1LUkzA
■自然対話型農園mano mano https://mmn-nmm.com/

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース