サバゲー愛好家さん、迷彩カラーのカワサキ多用途四輪車いかが? 自衛隊も採用、オスプレイにも搭載可能

鈴木 博之 鈴木 博之

迷彩カラーで自衛隊仕様にカスタマイズされた車両が、東京ビッグサイトで開催された『危機管理産業展(RISCON TOKYO)』のカワサキモータースのブースでひっそりと展示されていました。車両の名前は『MULE PRO-FXT』という四輪駆動車で、すでに6台が陸上自衛隊、2台が海上自衛隊に汎用軽機動車として導入されています。コンパクトな車体のためオスプレイ(MV-22)にも搭載可能。

MULE(ミュール)は、Multi-Use Light Equipmentの頭文字を取ったもので、MULE PROシリーズにはいろいろなモデルがあり、オプションパーツを装着すればさまざまな用途で活躍可能とのこと。

大手消防車メーカーである株式会社モリタが、一般火災・突発災害に対応した小型オフロード消防車『Red Ladybug』を、『MULE PRO-FX(EPS)』をベースに架装しています。EPSは電子制御のパワーステアリングとLED補助ヘッドランプを装備したモデルのこと。Red Ladybugは活動現場の状況にあわせて後部ボディユニットを、消火装置、救助資機材、情報通信機材などの各種機材を入れ替え可能になっています。

展示されていた自衛隊仕様のMULE PRO-FXTについてカワサキモータースの担当者に伺ってみました。

――MULE PRO-FXTは一般向けに国内販売しているのでしょうか?

多用途四輪車MULE PRO-FXTシリーズは2014年に北米をメイン市場として発売しました。現在、国内販売は行っておりませんが、来年春ごろより、カワサキモータースジャパンより販売を行う予定です。

――なるほど、カワサキモータースのサイトでは見つからないわけですね。北米の他に販売している国はあるのでしょうか?

MULE PROシリーズのメイン市場は北米ですが、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、欧州へも輸出していて、2014年から2020年までの販売台数は約8万台です。主な使用方法は、農場や牧場内の人員や物資の輸送、設備のメンテナンスなどの働くクルマですが、週末にはトレーラーに積載して山中でハンティングを楽しむレジャーとしても使用されていて、カモフラージュ仕様があるのはこのためです。また消防署でレスキュー車として使用されている例もあります。

――MULE PRO シリーズのFXとFXTの違いはなんでしょうか?

FXは1列ベンチシートで3人乗車が可能で、FXTは2列ベンチシートで6人乗車が可能といった違いがあります。またカワサキ独自の「トランス・キャブ・システム」で、後列シートを折畳み、仕切りをスライドすることにより簡単に荷台面積を拡大できます。あるときは人員輸送に、またあるときは荷物輸送にと、1台で2役をこなします。ちなみにFXTのTはTransのTです。

――展示しているMULE PRO-FXTは自衛隊仕様とのことですが、具体的にどこを変えているのでしょうか?

自衛隊仕様として、アルミ製のアンダーガードやウインチ、航空機搭載時の固縛用フックの追加と管制灯火などを追加しています。またボンネットのキャリアや、寒冷地での使用ではフルキャビンにするなど多彩なアクセサリーを準備していますので、使用用途に応じてアクセサリーを追加できす。

   ◇   ◇

自衛隊仕様車は購入できませんが、来春にはMULEシリーズを国内販売する予定とのことなので、自衛隊仕様風にカスタマイズはできますね。ただし残念ながらナンバーを取得できず公道を走ることはできません。そのため国内ではクローズドのオフロードコースやスキー場などのレジャーとして、また牧場、消防、災害などの働くクルマとしての活躍が期待できるでしょう。

▽MULE PRO-FXT(EPS)

エンジン:812cc水冷4ストローク直列3気筒DOHC
最高出力:35kW(48PS)/5500rpm
最大トルク:65N・m(6.6kgf・m)/3500rpm
最高速度:80km/h
駆動方式:四輪駆動/二輪駆動の切替式、デフロック機能
全長/全高/全幅:3385mm/1970mm/1625mm
車重:869kg
牽引質量:907kg
タイヤ:フロント26×9.00R12/リア26×11.00R12
希望小売価格:1万3499ドル~

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