1966年、「世界で初めてのスティック状チョコレート」として誕生した江崎グリコのポッキー(発売当初は別の名だった)。手を汚すことなく、会話をしながらでも食べられる軽快な食感で人気となり、今では口にしたことがない人を探すほうが難しいほどの、国民的お菓子として知られています。
馴染み深いポッキーですが、実は知られざるエピソードが数多くあるそうです。今回はいわば「ポッキーのトリビア」とも言うべき秘密を7個ご紹介します。また、江崎グリコのポッキー企画グループ・槌田智子さんにも話を聞きました。
ポッキーのトリビア① 発売前のテストセール時は別の商品名だった!
冒頭でも触れた通り、ポッキーは1966年に登場しましたが、それまでの日本のチョコレート市場には 「チョコスナック」という概念がなく「板チョコ」が主流でした。そんな中、先立って江崎グリコから販売されヒットとなっていたプリッツのような棒状のお菓子にチョコレートをコーティングするというアイディアから、ポッキーの構想が生まれたのだそうです。
また、同社の商品会議や、大阪・広島などで行われたテストセール時には「てくてく歩きながら食べられるチョコスナック」というコンセプトから「チョコテック」という名だったようです。1967年の京阪神地区での発売、1968年の全国発売の際に改めて「ポッキー」という名称で販売され始め、今日までの支持を得ることになりました。
ちなみにポッキーの名の由来は食べる際の音「ポッキン」にちなんだのだそうです。
ポッキーのトリビア② 「チョコ以外の味が欲しい」のニーズに呼応してアーモンド味が誕生!
発売後、一気に人気を獲得したポッキーでしたが、70年代に入ると、消費者からチョコレート以外の味も欲しい」といった声が増えていったそうです。これを受けて開発したのが1971年発売のアーモンドポッキーでした。続く1976年にはいちごポッキーも発売し、今日まで続くポッキーの様々なフレーバー展開の礎となりました。
ポッキーのトリビア③ ポッキーがマドラー代わりに使われるようになったのは、飲食店が先駆けたものだった!
もともとウイスキーなどのお酒とは相性が良いチョコレート。この利点を生かし、ポッキーをマドラー代わりに使い始めたのは、飲食店だったそうです。江崎グリコはこのことを聞きつけ、1976年には「ポッキーオンザロック」という広告キャンペーンのテーマにも展開したそうです。
ポッキーのトリビア④ 全国各地の観光名所をプリントしたポッキーが存在した!
80年代に入ると、人気ファッション誌の記事をきっかけとし、女子大生の国内旅行ブームが起こっていました。これに伴い「旅にポッキー」のキャッチフレーズCMを展開。また、商品パッケージそのものにも、全国各地の観光名所をプリントし、これまでのお菓子ではなかなか見かけなかった商品展開をしました。これらのことで、「子どものお菓子」のイメージが強かったポッキーが若い女性のファッションの一部にもなったそうです。
ポッキーのトリビア⑤ 「ポッキー&プリッツの日」に、ポッキーロケットを打ち上げたことがある!
平成11年(1999年)11月11日に制定された「ポッキー&プリッツの日」。想像通り、「1」がポッキーやプリッツのスティックの形に似ていることから制定され、以降毎年、この日はポッキーとプリッツがおおいに盛り上がる日になりました。2013年の「ポッキー&プリッツの日」には、上空1111メートルを目指し、2013年の11月11日の11時11分11秒に、ポッキーロケットが打ち上げられました(プリッツロケットは同日12時11分11秒に打ち上げ)。ポッキーロケットは1126メートル、プリッツロケットは1160メートルまで打ち上がり、記念日をおおいに盛り上げたそうです。
ポッキーのトリビア⑥ ポッキーはギネス世界記録にも認定されている!
2012年・2013年にはみんなで参加して楽しめる企画として「TRY WORLD RECORD on Twitter」と銘打ち、Twitterで「ポッキー」を含んだ投稿を呼びかけ、「24時間に最も多くツイートされたブランド(Most mentions of a brand name in Twitter in 24 hours)」として世界記録を目指しました。結果、2年連続で記録を更新し、2012年には184万3733ツイート、2013年にはその2倍以上となる371万0044ツイートを記録し、ポッキーは見事ギネス世界記録に認定されました。
また、2020年と2021年には「チョコレートコーティングされたビスケットブランドの世界売上No.1」としてもギネス世界記録に認定されました。
ポッキーのトリビア⑦ 世界30の国と地域でポッキーが販売されている!
ポッキーは発売当初の60年代後半から香港での販売をスタート。さらに1973年からはタイで、1980年からはインドネシアで、1982年からはフランスで……と当初から海外での販売に積極的だったお菓子でもありました。この結果、現在では30の国と地域でポッキーが展開され、さらなるブランド拡大と成長を目指しているのだそうです。
「Shere happiness!」のコンセプトのもと、みんなで楽しめるポッキーを!
知れば知るほど知られざる秘密が出てくるポッキーですが、当の江崎グリコではポッキーをさらにどのように成長させていこうと考えているのでしょうか。江崎グリコのポッキー企画グループ・槌田智子さんにも話を聞きました。
「これまでポッキーは『Share happiness! 分かち合うって、いいね!』というコンセプトで国内、海外ともに展開をしてきました。これまでの『本数が多くて、分け合いやすくて楽しい』というポッキーの姿だけでなく、別の切り口からも「harehappiness!」を体現できるようなシーンや商品の提案をしていければ良いなと考えています。海外ではまだまだポッキーをご存知ない方もいらっしゃいますので、広く楽しんでいただけるよう今後もより一層の活動をしていきたいと思っています」(槌田さん)
慣れ親しんだポッキーにも、いくつものトリビアや秘密がありました。最後の槌田さんのお話の通り、今後さらなる広がりによって、こういったトリビアや秘密、そして伝説は増えそうな予感もします。これから先の未来のポッキーにも注目していきたいものですね!
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▽「ポッキー」ブランドサイト
https://www.pocky.jp/