空き家で保護されたガリガリの子猫「今が迎えるタイミングかも」 連れて帰った瞬間から、うちの子が一番かわいい!状態に

渡辺 陽 渡辺 陽

空き家で増えていった子猫たち

のりたまちゃん(1歳6カ月・メス)は、2020年6月に保護され里親を募集。大阪府に住む鷹取さんが引き取った。

のりたまちゃんの保護主Aさんは、夫から「三毛の子猫がめちゃくちゃくっついてくるんやけど保護できないか?」と言われた。その時Aさん宅には保護した子猫が4匹いたので「無理だ」と言ったが、やはり気になったので、2日後、夫に場所を聞いて現場に向かった。そこは空き家だったのだが、他にもたくさんの猫がいたという。

「Aさんによると、猫を見ていたら隣の家のおばさんが来て、なぜかAさんに怒鳴り散らし、挙げ句の果てには、『そんなに猫が好きやったら、みんな連れて行ってくれ』と、子猫たちを鷲掴みにして小さな箱に詰め、押し付けるように渡したそうです」(鷹取さん)

猫たちは、へその緒つきの子から生後2カ月くらいの子まで全部で18匹いた。すぐに病院に連れていったが、おばさんが乱暴に鷲掴みにしたからか、2匹は内臓破裂で亡くなった。のりたまちゃんを含め、他の子たちもガリガリの栄養失調状態で、獣医師は「命が助かるかどうかは半々だ」と言った。Aさんは毎日薬を飲ませて点滴に通い、命を繋いだ。

今が猫を迎える「タイミング」

Aさんは、小学生の子どもたちと個人で保護やTNR活動をしている人で、鷹取さん長女の同級生のお姉さんだった。

鷹取さんは長女から「友達のお姉ちゃんが里親を探している」とインスタの投稿を見せられた。しかし、最初は飼おうと思わなかったそうだ。

「以前にも、何度か娘から『友達が里親を探している』と聞いたことがあって、その都度無理だと言ってたんです。でも、この時はなぜか気になって、毎日Aさんのインスタで写真を見ているうちに、『もしかしたら今がタイミングなのかも?』と思うようになり、里親になることにしたんです」

鷹取さんはもともと、命に値段がつけられているペットショップでの生体販売が嫌だった。

「特にクリスマスセールだとか新春初売りセールだとかを見ると、『命にセールって何やねん』という嫌悪感がありました。いつかペットを飼う時は里親になりたいと思っていました」

鷹取家には、高3の娘と高1、小3の息子がいて、長女が小学生の時、近所の保護犬・猫カフェに何度か行くようになり、何度か通ううちに子供たちも「いつか里親になりたい」と言うようになっていたという。

うちの子が一番

Aさんに連絡すると、既に数匹は里親が決まっていた。子どもたちと話し合い、残っていた子の中から「三毛猫ちゃんを迎えよう」ということに。「実はその時、3匹に絞った中にのりたまはいませんでした。でも翌日、Aさんから『ハチワレはどうですか?』と連絡があったんです」

話を聞くと、Aさんは「この子はめちゃくちゃ人懐っこくて、性格がすごく良い。あまりに良い子すぎて、残ってるんじゃなく残してるんです」と言った。

色々話をするうちに、「この家になら」と思ってくれたようで、鷹取さんの家族も、「きっとどの子を迎えても『うちの子が一番』になるだろうと、ハチワレちゃんを迎えることにした。

2020年6月29日、Aさんの夫がのりたまちゃんを連れてきてくれた。のりたまちゃんは本当に人懐っこくて、初めての場所なのに警戒することもなく、家に来たその日から肩に乗って来たり、日の当たる場所で寝たりした。

「思っていたより早く、家に連れて入った瞬間に『うちの子が一番』になりました(笑)」

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