北海道では秋も終わりを迎え、そろそろ冬の準備が始まっています。車のタイヤを冬用のスタッドレスタイヤに履き替えた方も多いのではないでしょうか。でも、タイヤは万全だとしても、冬の北海道の道路は雪と氷に覆われてしまいます。センターラインも停止線も、車線を分ける白線も、まったく見えません。そんな道路事情の北海道で道民は、冬の間、何を目印に運転しているのでしょうか。
道路の白線が見えない…
雪が積もると、道路の白線や黄色い線、横断歩道が見えない…
最近は道路にカラフルな線がひかれていたり、車線そのものが色分けされていたりして、右折・左折が複雑な交差点でも迷わずに走行できるような工夫がされている道路も多くなってきました。
でも、せっかく道路が色分けされたとしても、北海道では冬になると道路は雪と氷に覆われてしまいます。しかも北海道は気温が低いため、雪は解けることなく道路が凍結し、ツルツルのアイスバーンになることも。すると、冬の間はずっと、道路にひかれている白線や黄色い線、「止まれ」などの文字の表示がまったく見えなくなってしまいます。そんな真っ白な道路を、北海道に暮らす人々は事故を起こすことなく、どのように走行しているのでしょうか。
ここは何車線道路? 白線も黄色い線も見えない…
横断歩道の手前で停まるときは、「停止線」の標識がたより
きれいに色分けされた車線も、道路に描かれた白線や文字も、雪に覆われるとまったく見えません。一番困るのが、赤信号で停止する位置です。普通に走行しているときは、前の車になんとなくついていけばいいのですが、赤信号で止まるときに先頭になってしまうと、ドライバーにとっては車を止める位置が最も重要となります。
道路の白線が雪で見えないときは、「停止線」の標識がとても役に立ちます。ツルツル路面だと、かなり早くから速度を落とさなければ止まることができないので、停止線の標識を目指せば、ゆっくりとスピードを落とすことができます。
停止線は、横断歩道にわりと近い位置にあることもあれば、交差点によっては、けっこう離れた位置にあることもあります。また、横断歩道がないところに停止線がある場合もあります。冬の北海道を運転するときは、この辺に止まれば大丈夫かなあ…という勘に頼らず、確実に停止線の標識を目印にして止まることが、安全な運転への近道となります。
たとえ白線が見えなくても、停止線の標識が目印となる
左右で車線の数が違う道路では、「中央線」がたより
雪で覆われた道路では、センターラインもまったく見えません。でも、センターラインというくらいだから、道路の真ん中がセンターのはず……と思うと危険です。車線が複数あるような道路では、道路の真ん中がセンターラインとならない場合も少なくありません。
大きな道路では車線がいくつもあります。右側と左側で車線の数が同じであれば、道路の真ん中がセンターラインになりますが、片方が2車線で、もう片方が4車線などというような複雑な道路では、必ずしも道路の真ん中がセンターラインとなるわけではありません。
中央分離帯などがあれば、道路の右側と左側をはっきりと分けてくれるので雪の日はとても心強いですが、そうでない場合はどこを目印にして走行したらいいのでしょうか。
そんなときには「中央線」の標識がとても役に立ちます。中央線の標識はわりと高い位置にある場合が多く、遠くからでも見やすくなっています。市街地の大通りでは車が多いので、前の車についていけば安心ですが、車通りの少ない郊外や峠などで先頭を走る場合は、センターラインが見えないととても不安です。そんなときこそ中央線をたよりに走行すれば、反対車線にはみ出ることなく、安心して走ることができます。
道路の真ん中がいつも中央線とは限らない
雪が積もらず、四季を通して道路の白線や黄色い線がいつでも見える地域にお住まいの方には想像もつかないでしょうが、雪国では冬になると、「停止線」や「中央線」などの標識がとても重要な役割となります。でも、横なぐりの吹雪の日などは、標識にも雪がはりついてしまい、何の標識なのか見えないこともありますが…。
そろそろ冬の訪れを感じはじめた北海道。早めに車の冬支度を済ませ、いつ雪が降っても大丈夫なように、万全に準備を整えておきたいですね。
左が1車線、右が2車線。中央線は道路の真ん中ではない