9月30日をもって惜しまれつつ閉館となる神奈川県三浦市の京急 油壺マリンパーク。
今、SNS上ではその油壺マリンパークで撮影された「あまりにもcity pop感ある写真」と、それを元にデザインされた架空のレコードジャケットが大きな注目を集めている。
「今月末で閉園する油壺マリンパーク、最後にどうしても再訪したく先日訪れたところ、あまりにもcity pop感ある写真が撮れたので架空のレコジャケを作りました！
唯一無二のイルカアシカパフォーマンスをはじめ、良さがありすぎる空間なので本当に閉園が惜しいです😢ありがとう油壺マリンパーク🐬」
とその撮影・制作の経緯を明かし、油壺マリンパークへのあふれる思いを綴ったのはデザイナーのKi_moi（@ki_moi）さん。
白いプールの向こうに見える夏空と海、そしてちょうどいい感じで立つヤシの木…こんな1980年前後のcity popそのままの風景が現代日本に残っていただなんて…。またその風景を切り取ってレコードジャケットに仕上げたのデザインセンスも絶妙だ。Ki_moiさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「大滝詠一の不朽の名盤『A LONG VACATION』みありますね。」
「帯！そして斜体の文字！ 完璧ですね。」
「いや、このジャケット実家のどっかで見た（真顔）
探せば見つかるはず（真顔）」
「幼稚園児位の頃一度行った事あります^ ^
水槽の裏側にスペースがあって弟と記念撮影しました^ ^いろんな魚とのスーパーショットw
懐かしいな、寂しいな…」
など数々のコメントが寄せられている。
Ki_moiさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ（以下「中将」）：これまで油壺マリンパークへはよく通われていたのでしょうか？ki_moiさんにとって、マリンパークの魅力とは？
Ki_moi：油壺マリンパークを訪れたのは実は今回が2回目です。初めて訪れた際に、ストーリー仕立てのイルカ・アシカパフォーマンスに衝撃を受けました。
水族館の展示そのものも魅力的ですが、レトロ建築物好きにはたまらない雰囲気や、ペット同伴OKのためワンちゃんが動物や魚を眺めているというなかなか見られない風景が見られるなど、独特の魅力のある水族館だと思います。
中将：マリンパークの施設で特にお好きだったものは？
Ki_moi：やはりなんといっても「ファンタジアム」で披露されているイルカ・アシカパフォーマンスです。水族館が好きなので、ちょくちょくイルカショーを見る機会はあったのですが、初めて見るタイプのものだったのでとてもインパクトがありました。
中将：今回、投稿された写真が撮れた際のご心境をお聞かせください。
Ki_moi：帰り際に展望台に登った際に目に映った風景がとても美しく、おこがましくてツイートではお名前は出せなかったのですが、永井博さんの描かれるイラストレーションの世界を思い出しました。
きっと展望台も取り壊されてしまうだろうと思ったので、この風景を残しておきたいという思いで写真を撮りました。
中将：レコードジャケットの仕上がりについて感慨をお聞かせください。
Ki_moi：以前から趣味で架空のCM画像や、架空のペンションのパンフレットなど、架空の設定の作品を作っていました。また最近手掛けた「the oto factory」の配信シングルのアートワークでも80年代のレコードの雰囲気を再現してデザインしました。
そんな流れが自分の中にあったため、油壺マリンパークへのリスペクトを自分なりに、このような形で表現しました。帯の部分に油壺マリンパークにちなんだ小ネタをたくさん入れることができて満足しています。
中将：これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
見てくださった方のツイートを拝見していると、油壺マリンパークの思い出や閉館を惜しむ声が多く、本当に愛されていて、たくさんの人の思い出が詰まっている水族館なのだなと実感しました。閉館は惜しいですが、動物たちや職員の皆さまが新天地でも楽しく穏やかな日々を過ごされることを願ってやみません。
◇ ◇
53年の間、数多の人の心を魅了し続けた油壺マリンパーク。Ki_moiさんの写真とレコードジャケットがその美しい思い出を閉館後も多くの人に伝えてくれるよう願いたい。
なお、ふだん音楽関係のアートワークや企業のロゴ、グッズ制作などを主に手掛けているKi_moiさん。SNSアカウントで作品の一部を公開しているのでご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
Ki_moiさん関連情報
Instgramアカウント：https://www.instagram.com/ki_moi/
