閉園後の「浅草花やしき」が巨大お化け屋敷に!?恐怖のホラーナイト「幽霊たちの結婚式」を体験してきた

鈴木 博之 鈴木 博之

日本で最初の遊園地とされる「浅草花やしき」(東京都台東区)が、8月7日(花やしきの日)で開園168周年を迎えました。それを記念して閉園後の園内全体を使った大型お化け屋敷イベントがスタート。計23日のみ開催される恐怖のホラーナイトを体験してきました。

お化け屋敷プロデューサー五味弘文氏と10年ぶりにタッグ

今回のホラーナイトイベントを手掛けたのは、30年近くにわたり100本以上のお化け屋敷を制作し続けてきた、お化け屋敷プロデューサーの五味弘文氏。2011年にリニューアルオープンした『お化け屋敷~桜の怨霊』以降、花やしきとは10年ぶりのタッグです。

五味氏はお化け屋敷にキャストを復活させることで本来の楽しみを蘇らせるだけでなく、新たにストーリーとミッションという要素を持ち込むことで、子どもだけでなく大人も楽しめるエンタメとして生まれ変わらせた第一人者。代表作には赤ん坊を抱いて歩く『パノラマ怪奇館~赤ん坊地獄』、幽霊の髪の毛をとかして進む『恐怖の黒髪屋敷』、死者と指切りをしてくる『ゆびきりの家』などがあります。

以前、園内周遊型のお化け屋敷を「ひらかたパーク」(大阪府枚方市)でも手掛け、今回で2度目だというお化け屋敷プロデューサーの五味氏に話を伺ってみました。

――園内全体を使うというのに苦労されたところはなんでしょう?

「通常のお化け屋敷は起承転結を考えて作るのですが、コースが長いためどうやってお客さまを導いて、移動時間を退屈させないようにコントロールすればいいのかに苦労しました。また、既存の施設を使用するため、閉園後わずか30分でセッティングする必要があるというのも通常のお化け屋敷にはないところ。構想期間は半年くらいかかりました」

――園内には、必ずしもお化け屋敷とは関係ないような可愛らしいものもあるため、お化け屋敷に集中できないのでは?

「そうですね、花やしきの特徴として園外の生活感がわかるというのがあります。ただ、コースが長く、さらに園内にはお化け屋敷の演出として意図していないカワイイものもたくさんあるんです。それらが必然的に目に入るため集中力は途切れますが、それでもかまわないのです。今回のお化け屋敷は仲間同士で参加してワイワイとおしゃべりをして緊張が緩んだとしても、あるポイントに来て緊張感がグッと高まり悲鳴を上げるというのを繰り返すエンタメなのです」

――お化け屋敷に集中しなくてもいいのですか?

「他のエンタメはフィクションの世界に没入させて余計なことを考えさせないようにするのですが、お化け屋敷だけは特殊で、お客様が余計なことを考える、ということを前提に作っていくものなのです。というのは、お客さまは常にこれは嘘だ、作り物だという意識があるのですが、どんどん体験していくとその意識がなくなっていき怖くなっていくのです。そんなときにお化けが出ると作り物だという意識にまた戻り楽しくなるのです。つまり主観的な自分から客観的な自分に戻った瞬間にこんなもので怖がっていたことが愉快や滑稽に思え、奇妙で楽しい体験だと思うのです。だから、悲鳴を上げたあとには笑顔になっているんですよ。客観性を排除してしまうと、この“楽しい”という部分が薄れていって、ただ怖いだけのものになってしまうのです」

――今回のお化け屋敷ならではの楽しみ方を教えてください

「閉園したあとの遊園地に入るというのはほとんどの人が経験したことがないはずです。だからその非日常を体験してください。それと友達同士、気のおけない仲間でワイワイやりながら楽しんでもらえればと思います」

『幽霊たちの結婚式~闇に消えた先輩記者~』のストーリーとミッションは?

実際に体験してみると…

『幽霊たちの結婚式~闇に消えた先輩記者~』は、閉園後に開催されるので正面入口は閉まっているため、浅草花やしきのショップが入口です。チェックインするとモニターからはストーリーとミッションの解説がありました。

「花やしきの従業員に代々語り継がれるうわさがあり、それは数十年に1度、閉園後に行われるという、幽霊たちの結婚式。その昔、若くして命を絶った女性の、この世に対する未練が幽霊たちを呼び起こしたそうです。誰も見たことがないため、先輩記者が真相を確かめるために花やしきへ向かったものの、先輩記者の行方が……? 先輩記者を助け出し、あなたは幽霊たちの結婚式を目撃できるか?」

お化け屋敷の入口はなんと、ゲームセンターからです。その他にも絶叫マシンや常設のお化け屋敷、トイレなどを使っていてところどころエアコンも入っていてヒンヤリしており汗だくになることもありません。ただコースの半分は屋外で天気にも左右され、雨天の場合は傘が使えないためレインコートを用意しておいたほうがいいですね。具体的な内容はネタバレになるため話せませんが、お化けが話しかけてきてお化けと会話するところもあり、最後は浅草花やしき名物のパンダカーと白無垢の幽霊をバックにご自身のスマホを使って記念撮影もできます。

ホラーナイトイベント『幽霊たちの結婚式~闇に消えた先輩記者~』は、8月7日(土)から10月3日(日)の間、計23日間のみ開催。通常バージョンの恐ノ刻の他に、恐ノ刻にさらに演出を加えた120%恐怖倍増バージョンである最恐ノ刻は8月29日(日)、9月5日(日)、9月19日(日)、10月3日(日)のみ開催。体験時間は変わらないものの、内容はヒ・ミ・ツとのことなので実際に体験してみるしかありませんね。

料金は恐ノ刻(税込3000円)、最恐ノ刻(税込3500円)で、運営の都合上、2組以上のグループでコースを回るとのこと。小学生は18歳以上の付き添いがあれば体験可能です。予想不可能な園内周遊大型お化け屋敷で幽霊たちの結婚式を目撃しませんか?

▽ホラーナイトイベント『幽霊たちの結婚式~闇に消えた先輩記者~』
https://hanayashiki-event.com/info/335

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