共働き世帯でも「仕事と家庭の両立」を悩んでいるのは「女性」 男性の協力意識の低さ、調査で浮き彫り

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共働き世帯でも「仕事と家庭の両立」を悩んでいるのは女性のほうが多い…。株式会社Insight Techと、株式会社SHeStandsが共同で全国の子育て世代(20-49歳)男女を対象に行った「日常の悩みとジェンダーギャップとの関連性調査」で、そんな結果が明らかになりました。男性の関与・協力意識の低さが垣間見える結果となっています。

2020年12月から2021年1月にかけて、女性3556人、男性979人に聞きました。主な結果は以下の通りです。

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(1)子育て世代でも、男女で悩みは違う

日頃の不安や悩みをみると、女性のほうが「家事の負担」「育児・子育て」などの項目で、不安や悩みを抱える傾向が顕著でした。特に共働き世帯では「仕事と家庭の両立」で男女差が拡大している状況がみられるといいます。

(2)女性の9割は「異性を羨ましく感じた」経験あり

女性の約9割が「異性(男性)が羨ましい」と感じることがあると回答していました。また、ジェンダーギャップが起因する不安や悩みを抱える人も8割近くとなっています。

(3)女性の6割以上がキャリア形成を断念した経験あり

女性は6割以上がキャリア形成を断念した経験があり、その理由として結婚、出産、育児などがきっかけになっていることが分かりました。また約8割の人が今後自身のキャリアを断念する可能性があるとしています。

(4)キャリア断念後、女性の6割は再挑戦したいが、自信のなさも露見

キャリアを断念した人・断念する可能性がある人に、再挑戦を考えている人は約6割に。しかし、一定期間のブランクによって「昔のように体力・気力が続くか心配」や「周囲に迷惑をかけてしまうかも」といった不安を吐露し、再挑戦を躊躇する意見もみられます。

(5)「女性が活躍できる社会づくり」の進捗を実感している女性は3割未満に留まる

「女性が活躍できる社会づくり(働きやすい環境づくり)」が進んでいるという実感は女性で3割未満。男性でも5割未満と全体的に低くなりました。共働き世帯の回答に限定しても同様の結果になっています。

(6)「女性が活躍できる社会」に必要なものはルールよりもマインドの変革

「女性が活躍できる社会づくり」に対する期待や要望のフリーアンサーをAIで解析した結果、「託児所や保育園を増やす」といったハード面、「時短勤務や育休取得の推進」のようなソフト面の充実だけではなく、「日頃の家事や育児への協力意識」のようなマインド面の変革を求める声が多くなりました。

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アンケート結果に対して、調査を行った両社は「日本社会には依然として根深いジェンダーギャップが存在しており、女性の社会的な活躍やキャリア形成の推進を妨げる原因になっている」と指摘。「政府・自治体がハード(保育施設などのインフラ拡充)やソフト(女性活躍推進法などの法律や職場ルール)の整備を進めるだけは不十分であり、生活者自身が潜在的に抱いている『男女の役割に対する固定観念や女性に対する差別的な評価や扱い方』を払拭するマインド変革を促していくことが、ジェンダーギャップの解消には重要である」と述べています。

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