ZARDの『負けないで』、B.B.クイーンズの『おどるポンポコリン』、中山美穂&WANDSの『世界中の誰よりきっと』……数々の名曲を生み出してきたアーティストの織田哲郎さん。2021年2月13日にビルボードライブ大阪で〈幻奏夜V〉を開催する。長きに渡り音楽業界を支えるそんな匠に、意外な一面がある。それは、生粋の「猫好き」であることだ。
織田さんは今、家で5匹の猫を飼っている。
「いろんな猫がいて、叱られたときに一度で懲りる猫もいれば、物分かりのよくない猫もいる。今いる元野良猫はすごく賢くて強いですね。あと、メスの方がとても気が強い気がします、経験上(笑)」
極度の猫嫌いだった祖母の影響で、織田さんの母親が猫を飼わなかったため、子ども時代に猫と暮らした経験はない。しかし21歳のとき、ある猫との運命的な出会いを果たし、一目惚れをしたという。
「たまたま通りかかった札幌のペットショップでのこと。ショーウィンドウの中にいる猫から目を離せなくなったんです。東京まで連れて帰りましたね」
今まで17匹ほどの猫を飼ってきたという織田さん。中でも印象的だったのは「食いしん坊猫」だ。
「とにかく人懐っこい猫で、そこに人間がいればすぐに膝の上に乗る。それにすごく食い意地がすごくて、辺りにある袋に入ったお菓子を食べるために、すぐ袋をガジガジして開けちゃうんです」
織田さんが猫に惹かれるのはなぜか。その理由は、猫特有の「のびやかさ」にある。「猫はとても自由なんです。生きたいように生きて、行きたいところに行く。個人主義です」。
興味深いのが、犬ではなくあえて「猫」を選んでいるところ。最近は犬も可愛いと思うが、まだ飼ったことはないそうだ。「猫は平和でいじめが全くない。犬は上下関係があるイメージがありますが、猫にはそれがないので見ていてホッとするんです」。猫は、表舞台で輝く織田さんを影で優しく支える存在なのだ。
これまで多くのヒット作を生み出してきた織田さん。創作する中で猫からインスピレーションを得たことはあるのか?本人に聞いてみたが、はっきり「ありません」と答える。
「オンオフで言うならば、音楽はオン、猫はオフ。集中して音楽に没頭し、脳を休ませてくれるのが猫です。彼らを触るとほんわかした気持ちになるんです」
そんな織田さんが登場するライブ〈幻奏夜Ⅴ〉。若手の弦楽器奏者によるカルテットとコラボレーションだ。彼らとの共演について、「回数を重ねてきたので、だんだんサウンドが熟してきた」と語る。
この1年、新型コロナウイルスによる音楽業界への打撃は強かった。織田さんはどんな思いでライブにのぞむのか。
「今、世の中の空気が暗い気がしていて。このままじゃ免疫力が下がってしまいますよ。ぜひライブで心を温めて、免疫力を高めてほしいです」
織田哲郎『幻奏夜V』ビルボードライブ大阪公演
2021年2月13日(土)
1stステージ 開場14:30 開演15:30 /
2ndステージ 開場17:30 開演18:30
お問い合わせ・予約:ビルボードライブ大阪(06-6342-7722)