保健所で出会ったおとなしい子猫、いつも飼い主の心に寄り添ってくれる優しい猫に成長

渡辺 陽 渡辺 陽

よもぎちゃんは、野良猫の母猫と一緒にいたところを捕獲された。保健所で里親を募集していた時に、東京都に住む清水さんに出会う。おとなしい子猫のように見えたが、またたく間に清水さんの暮らしはにぎやかになった。

胸にしがみついてきたおとなしい子猫

東京都に住む清水さんは、幼い頃から猫を飼いたいと思っていた。しかし、実家では飼うことができず、ひとり暮らしを始めて生活が落ち着いた頃から、縁があれば迎えたいと考えるようになった。

2012年7月25日、清水さんは、一人で保健所にいる猫を見に行った。母猫と一緒に保護されたという子猫がいた。職員によると、母猫はおっとりした猫だったということだった。2012年6月上旬くらいに生まれたようで、月齢1カ月半、同じくらいの月齢のやんちゃな白猫と2匹でひとつのケージに入っていた。

子猫は、ケージの中でおとなしく座っていて、相部屋の白猫が元気に暴れ回っているのとは対照的だった。抱っこさせてもらうと、清水さんの胸にしがみき、暴れることもなく、鳴き声ひとつあげずに清水さんの顔を見てじっとしていた。清水さんは、縁を感じたので、その子猫を迎えることにした。子猫は、連れて帰る電車の中でも鳴き声ひとつあげずに縮こまっていた。

隣の家のベランダで大胆に昼寝

保健所ではとてもおとなしかったが、家に来た翌日には子猫らしく部屋中を走り回り、ごはんもよく食べ、要求があればにゃーにゃー鳴いた。トイレは家に来たその日に覚えた。

額にうっすらとよもぎの葉っぱのような模様があったので、「よもぎ」と名付けたという。保護当時は耳と尻尾だけが黒く、他は真っ白な毛並みだったが、1歳になる頃には顔にも体にもどんどん模様が出てきて、同じ猫と思えないほど外見が変わった。

おっとりしているが、物おじしない。パンとフライドチキンと焼き魚の匂いが好きで、清水さんが食べていると、飛んでくる。初対面の人にも自分から匂いを嗅ぎにいくほどフレンドリーだが、撫でられそうになると激しく猫パンチする。冬にはよく清水さんの膝の上で昼寝したり、夜には清水さんの布団に入って腕枕で寝たりする甘えん坊だ。

よもぎちゃんは、目を離したすきに隣のベランダに入り込んでしまったことがある。あちらこちら探検した後、グーグー昼寝を始めてしまった時には、清水さんは肝を冷やした。その後、ネズミのおもちゃで必死に呼び寄せ、無事に帰還。以後、窓などが空いている時には目を離さないよう気をつけているという。

いつも寄り添ってくれるよもぎちゃん

「嬉しいことがあった時も仕事やプライベートで辛いことがあった時も、よもぎは素知らぬ顔で毎日昼寝をしています。その姿が大きな精神的支えになっているんです。言葉は通じませんが、それが良い時もあり寂しい時もあり。猫は生活に癒しと生きがいを与えてくれると思っています。

清水さんが体調を崩して高熱を出した時や落ち込んでいる時は、「いつもと違う雰囲気」を察するのか、おとなしくそばに寄り添ってくれることもある。「一緒に暮らして今年で8年になりますが、今まで見たことない可愛い仕草や表情をすることが度々あり、毎日がかわいいの再発見です」

清水さんは、これからもよもぎちゃんが幸せで長生きできるように、よもぎちゃんの下僕(しもべ)として、前向きに生きていきたいという。

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