愛猫ミーちゃんを病気で亡くし、そこはかとなく寂しい生活を送っていた埼玉県のAさん。猫の保護団体またたび家(またたびけ)から成猫のこまちゃんとちゃとちゃんを譲渡してもらった。多頭飼いを始めたAさんは、幸せな毎日を送っている。
独身の男性でも拒絶しない「またたび家」
こまちゃんとちゃとちゃんの保護主は、埼玉県の家の近所でTNR活動をしている人だった。こまちゃんは、たびたび庭に遊びにきていたのだが、2018年1月、捕獲機で保護された。ちゃとちゃんは、ごはんをあげてならしていたので、2018年9月、お子さんが手で抱っこして保護した。
こまちゃんは、猫の保護団体またたび家を通じて里親を募集した。ちゃとちゃんは、保護主が直接里親を探していた。
埼玉県に住むAさん(男性、独身)は、愛猫ミーちゃんを2018年10月、18歳2カ月で亡くした。ペットロスにはならなかったが、仕事が終わって帰宅しても何もすることがなく、なんとなく寂しかったという。
「ミーちゃんを亡くしてから3週間後、余っているごはんを寄付したいとまたたび家に連絡したのですが、その時、また猫を飼いたいと思っていると相談したんです。男性で独身というと断られることが多いのですが、拒絶はしませんと言ってくれました」
飼うなら成猫
2018年11月、Aさんは保護主宅にいたこまちゃんとお見合いした。2歳くらいになっていた。
「もっと大人の猫でもよかったのですが、たまたま2歳だったんです。子猫は働いていると育てにくいので、大人猫が欲しかったんです。大人猫の引き取り手が少ないということもありました。私が1匹引き取れば、団体さんは1匹新たに引き取る余裕ができる。そういうところでもお役に立てればと思いました」
キジシロのこまちゃんは、ミーちゃんによく似ていた。ミーちゃんのほうが白かったが、とてもよく似ていたという。
「もともとキジシロが好きなんですが、こまはこまだし、ミーはミー。面影を追い求めようとは思いませんでした」
多頭飼いして幸せが2倍、3倍に
Aさんは、こまちゃんの里親になることにしたが、保護主さんから「ちゃとちゃんも一緒にもらってくれないか」と、遠慮がちに言われた。
「一人暮らしだから、多頭飼いより1匹で飼ったほうがいいと思っていたのですが、引き離すのもと思い、2匹とも譲渡してもらうことにしました」
2018年12月初旬、こまちゃんとちゃとちゃんがAさんのところにやってきた。
キャリーケースを開けると同時に2匹とも、さっと隠れてしまった。土曜日に来たのに、ごはんを食べたのは日曜日の夜になってから。トイレも日曜日の夜まで我慢していた。一週間も経つと、布団の上で寝るようになり、2匹で追いかけっこをしていた。
「よくこれで野良猫ができていたなあと思いました。こまは臆病なので生き抜けたと思いますが、甘えん坊。ちゃとはおっとりしています。猫だんごをするほどではありませんが、親友のように仲が良いんです」
多頭飼いをしてみて、Aさんは、猫から受け取る幸せが2倍、3倍になったという。「体温のぬくもりだけではなく、2匹一緒にすり寄ってきてくれる時などに喜びを感じます」それぞれ性格が違うので、それぞれ面白みがあるそうだ。