大学1年生の息子を持つJさん(50代)は、息子に「今のうちに運転免許を取ってほしい」と考えていました。
大学1年生なら、まだ授業もそれほど忙しくないだろう。学年が上がれば専門科目やアルバイト、就職活動などで時間が取りにくくなるかもしれません。そこでJさんは、息子に代わって教習所探しを始めました。
自宅から近いほうがいいのか、大学から通いやすいほうがいいのか。送迎バスはあるか、予約は取りやすいか、交通費はいくらかかるのか。教習所を探し、比較しました。
「絶対マニュアル!」だったはずが…
一方、息子には、昔からスポーツカーに乗りたいという夢がありました。そのため、免許も「絶対にマニュアルで取りたい」と譲りません。
教習所では一般的に、マニュアル車の免許取得コースはAT限定より数万円程度高く設定されています。Jさんが調べた教習所でも、マニュアルとAT限定の料金差は3万円弱でした。
それでも息子は「どうせ取るならマニュアル」と希望しました。
そこで、友達も多く通い、大学から送迎バスも出ている教習所を選びました。Jさんは「これならスムーズに取れる」と思っていました。
ところが、息子は頻繁に教習に行っている様子ではありませんでした。
息子からたまに聞く話では、教習の予約も思うように取れず、 なかなか進んでいない様子。Jさんは「このまま免許を取れるのだろうか」と心配していました。
マニュアル車の操作にも苦戦していたようで、仮免許の試験にも不合格。教習に通うペースも上がらず、規定の期間内に合格できなかったことで、追加料金が発生することになりました。
「最初からAT限定なら、3万円弱安かったのに…」
と思っていたJさんを待っていたのは、さらに10万円程度の追加費用です。
そして、すったもんだの末、息子が出した結論は――。
「もうオートマ限定でいい」
あれほど「スポーツカーに乗るならマニュアル」と言っていたのに、最終的にはAT限定免許を選ぶことになりました。
最初からマニュアル免許のために余分に支払った約3万円。さらに、教習が予定通り進まなかったことで発生した約10万円の追加費用。
「だったら最初からAT限定でよかったのでは…」
Jさんの頭を、そんな思いがよぎったのは言うまでもありません。