「望遠カメラ30cmまで」
「最前列1分」
「頭より上にカメラ掲げないで」
秋田県の男鹿水族館GAOで真っ白ふわふわなホッキョクグマの子グマ公開が始まり、連日大勢の人でにぎわっています。「モモ太」という愛称も決まりましたが、同館が呼びかけている撮影ルールが具体的で細かめ…いや厳しめ(?)で、SNS上では困惑の声も。一方、他施設も含めカメラやスマホ撮影に夢中な人の行動にモヤモヤさせられたという経験談も語られるなど、波紋が広がりました。
かわいい姿を見たい、撮りたいだけなのに、なぜ? 水族館側の真意を取材すると、貴重な親子の姿をみんな一緒に笑顔で見守りたい、という温かな思いがありました。
モモ太はオスで、2025年12月4日誕生。父親は豪太(2003年11月生まれ)、母親はモモ(2014年11月生まれ)。モモとモモ太は「ホッキョクグマ水槽」と呼ばれる展示場で公開され、SNSには連日、来館者が撮影した愛くるしい姿が投稿されています。
同館で飼育・広報を担当する高橋深雪さんに聞きました。
・今回の撮影ルールを設けたのは、なぜ?
「県内外からたくさんの方が親子を見に来られています。ホッキョクグマが好きだという方、あまり興味がなかったけれど来てみたとか、遠くてなかなか来れないけれどどうしても親子を見たくて来たという方など、いろいろな方とお話しする機会があります。今回のお願いをする理由は、国内でもホッキョクグマが減少傾向にある中、貴重な親子の姿を『みんなで一緒に見ようよ』の一言に尽きます」
・ルールを守っていても撮影しづらい雰囲気にならないか心配ですが
「親子の公開前から、当館内での撮影に関するお願いにご協力いただきたく、ホームページに掲載したり、お客さまにお知らせのカードをお配りしたことがあります。『夢中になると周りが見えなくなるので言ってもらえて良かった』というお声や、レンズの長さを測ったという方も。今回のお願いを出すことに不安もありましたが、皆さんが気持ちよく見られる環境は、来館される皆さんでつくっていただけていると思います」
モモとモモ太がいるホッキョクグマ水槽の観覧側は幅約13m、奥行き5~6mで、水中の様子を見ることができます。豪太がいる「ホッキョクグマ運動場」は全体を見渡せる屋外デッキや、ガラス越しに真下にいるホッキョクグマを観察できるエリアなどがあります。
生後5カ月になるモモ太。観覧側を埋めた大勢の人に臆することなく、初日から走り回っていたそう。
「ご意見をいただくこともありますが、この日を待っていた方、偶然居合わせた方々が、皆さん笑顔で親子を見ているのが印象的でした」と高橋さん。
当初は水に入ることができなかったモモ太ですが、今は、自ら水の中に入ったり、必死に「クマかき」する様子などを多くの人がSNS投稿で共有。いずれかっこよくダイブしたり潜水するようになる日を期待し、成長していく姿を楽しみながら見守っています。
・これから親子を見に来られる方々に一言お願いします
「モモは初めてながら立派に子育てをしてくれています。親子のこの瞬間を見ることができるのは今だけです。より多くの方に気持ちよくご覧いただきたいという願いは当館スタッフだけでは叶いません。今後も親子を見守っていただきながら、大人も子どもも、ホッキョクグマ親子の前では笑顔になれる水族館を共につくっていけるよう、ご協力いただければ幸いです。『みんなで一緒に見ようよ!』です」
◇ ◇