「和服の似合う日本一の和男子」を決めるコンテスト「なでしこ日本・ミスター大和男児」。そのファイナリストに選ばれた42歳のMats(マツ)さんが、20代や30代の若手に交ざって堂々と勝負する姿が、同年代の共感を呼んでいる。
「レッスンやトレーニングに通いながら、自宅では自主トレに励んでいます」とMatsさん。
日本一を目指すとなれば、ストイックな食事制限にも励んでいるはず――。
そう思って食生活を聞いてみると…。
「そんなんでいいんですか?」驚きの食事内容
・朝食
ヨーグルト
コーヒー(健康食品)
・昼食
ご飯
ウインナー・卵焼き・レタスのサラダ
・夕食
お酒(ハイボール2、3杯)
居酒屋のコース料理
付き出し
お造り
焼き鳥
揚げ物
〆のご飯
…あれ?食事制限感、ゼロ。
というより、お酒飲んでるし、揚げ物も食べてるし!
「外食が多いんです。お酒も好きで結構飲みますよ」
そんなんで大丈夫なんですか!と思わず聞き返す。
「朝と昼は軽めにしています。それで去年と体重は変わらないですね」
なんとも拍子抜けするほど「ふつう」の食生活だ。
だがMatsさんは、涼しげな笑顔でこう話す。
「和装って、ちょっと恰幅が良いほうが似合うんです」
確かに。言われてみればそうだ。
メリハリを出すため、タオルを体に詰めて和服を着こなす場合もあると聞く。
「あること」でウエストマイナス3.5cm
「実は、体重や体型より、もっと大切なことがあるんです」
え?それは何ですか?とMatsさんに聞いてみた。
「それは、『立ち姿』と『歩き方』なんです」
背筋がピンと伸びたたたずまい、軸のあるブレない歩き方こそが、評価されるポイントなのだ。
Matsさんは、「立ち姿」と「歩き方」を徹底的に鍛えるため、週に1〜2回ウォーキングのレッスンに通っている。
それプラス、2週に1回のペースでトレーニングしているのが「ピラティス」だ。
「最初にピラティススタジオに行ったとき、どこを重点的にやりたい?と聞かれて、体幹と腹筋と答えました」
トレーニングのかいあって、姿勢が良くなっただけでなく、ウエストがマイナス3.5cmになったという。
コンテストには何の興味もなかった
そもそもMatsさんと着物との出合いは、20代の頃にさかのぼる。専門学校を卒業後、最初に就職したのが呉服屋だった。
「最初は和服がすごく好きだったわけじゃないんですが、仕事でほぼ毎日着物に触れるうち、だんだん魅力を感じるようになりました」
その後、IT業界に転職し、いったん着物業界から離れたが、あるとき転機が訪れる。
「友人が、昨年のコンテストでミスター大和男児のグランプリを取ったんです。彼に『出場してみない?』と誘われたのがきっかけです」
最初は「無理!」と断ったが、再び誘われ、「まずはやってみよう!」と出場を決断。大阪大会に出場した。
コンテストでは、各地で地方大会が行われ、その中から全国大会に進むファイナリストが選ばれる。
「ファイナリストに選ばれたかどうか連絡がくるまでは、もうダメかな…とあきらめかけたこともありました」とMatsさん。しかし、無事に「合格」の連絡が届き、晴れて全国大会の舞台に立つこととなった。
一度もナンバーワンになったことがないから、挑戦し甲斐がある
私、これまで人生で1位になったことがないんですよ、とMatsさん。そんな自分が40代半ばを迎えた今、このコンテストに出場することで、めったにないチャンスにかける姿を見ていただければと語る。
「才能があったり、人より秀でるものがあるから、ここまでこれたわけではないと思います。いろんな人とのつながりやご縁がコツコツ積み上がって、こういうチャンスが巡ってきたんじゃないでしょうか」
もしもグランプリを獲得したら、着物業界にもっと役立てることをしたいのだそう。そんな未来を描きながら、ホテルグランヴィア京都で開催される11月24日大会本番に向け、今日も自主トレに励んでいる。
Matsさんの勇姿を目撃できる全国大会はこちら。
「なでしこ日本2025」https://nadeshiko-nippon.com/
42歳男子の奮闘に期待したい。
(取材・池亀朋美)