株式会社マイナビ(東京都千代田区)は、このほど「マイナビライフキャリア実態調査2025年」の調査結果を発表しました。同調査によると、20代未婚者のうち子どもが欲しい割合は4割に満たず、2年連続で減少していることがわかりました。20代未婚者が子どもを望まない理由にはどのようなことがあるのでしょうか。
調査は、学生を除く20~50代の男女7537人(子どもがいない未婚男女2930人、配偶者・子どもを有する働く女性910人)を対象として、2025年4月にインターネットで実施されました。
はじめに、20〜50代の未婚者に対して結婚観を聞いたところ、「自分にとって結婚は必要だと思う(必要だと思う+やや必要だと思う)」と答えた割合は、特に20代で48.0%、30代で38.9%と、いずれも2022年比で10pt以上減少しました。
また、「子どもが欲しい+できれば欲しい」と回答した20代は39.7%、30代は30.8%となり、特に20代では2023年比で8.4pt減と、結婚観と同様に顕著な減少がみられます。
さらに子どもを望まない理由を聞くと、20代は「子どもを育てるのにお金がかかるから」(41.4%)や「育てる自信がない」(40.7%)が上位に挙がり、経済的な不安が子どもを望む気持ちの抑制になっている可能性がうかがえました。
次に、20〜50代の既婚女性を対して、子どもの有無を調べたところ、非正規社員(76.6%)が正社員(64.4%)よりも12.2pt高くなりました。また、子どもがいる女性の勤労時間をみると、正社員では「週31〜40時間」(49.0%)が最も多く、平均すると28.9時間。一方、非正規社員では「週11〜20時間」(37.6%)が最多となり、平均すると17.8時間で、正社員の平均より10時間以上少なくなっています。
一方で平日の家事・育児時間をみると、正社員・非正規社員ともに「2〜3時間」が最多となり、平均時間でみても女性正社員が4.5時間、女性非正規社員が4.6時間と差が見られず、雇用形態によって働く時間には平均10時間以上の差があるものの、家事・育児時間には大きな違いがみられませんでした。
続いて、育児をしながら働く女性に現在の勤務時間について聞いたところ、勤務時間が「長い(やや長い+長すぎる)」と感じている正社員は28.6%であるのに対し、非正規社員は11.1%にとどまり、反対に、勤務時間が「短い(やや短い+短すぎる)」と感じている割合は非正規社員(26.3%)のほうが正社員(16.9%)よりも9.4pt高くなっており、雇用形態によって現在の勤務時間に対する感じに違いが見られます。
また、希望の勤務時間については、正社員の72.1%が現在より「減らしたい」と回答し、非正規社員と比べて21.2pt高い一方で、現在より「増やしたい」と答えた割合は非正規社員(49.2%)のほうが正社員(28.0%)より高くなっていることから、勤務時間に対する実態と希望の違いは、働き方の柔軟性や支援制度に課題があることが示唆されました。
最後に、「私生活における周囲からの支援やサポートの必要性」について聞いたところ、育児をしながら働く正社員女性の76.9%が「とても必要だと思う(必要だと思う+やや必要だと思う)」と回答。また、正社員女性においては、配偶者に対して育休を「取得してほしい」と答えた割合が53.6%で半数を超え、非正規社員の女性と比べても19.2pt高い結果となりました。
これらの結果から、正社員女性のほうが勤務時間が長いうえ、家事・育児にかかる時間は非正規社員と変わらないことから、周囲からの支援・サポートをより強く求めている傾向がうかがえました。