万博の話題で盛り上がった夜、亡き父の部屋から“ドサッ”…本棚から落ちてきたのは、55年前の大阪万博アルバム「一緒に話したかったのかも」

梨木 香奈 梨木 香奈

「私霊感とか一切ないし、スピも話半分程度にしか聞いてない感じなんだけど、今信じられないことが起きた」

2025年6月13日、Xユーザーの陽気なS子さん(@S75305369)が投稿したのは、まるで“亡き父からのメッセージ”のような不思議な体験でした。お父様は今から14年前、62歳で亡くなられたそうです。

この日、実家に遊びに来ていた甥っ子たちと、2025年4月13日から開催されている大阪・関西万博(日本国際博覧会)の話題で盛り上がったS子さん。談笑のあと自室へ戻ると、思いがけない出来事が起こりました。

「実家の旧私の部屋は今は祖母の部屋になっていて、私は亡き父の部屋を使っている。今日は甥っ子たちが来ていて、万博の話をしてきゃっきゃしたあとに、部屋に戻り転がっていたら、本棚からなんか落ちてきた」

「特に気にせず転がっていたら、再度ドサッとなんか落ちてきた。さすがに気になったので何が落ちてきたか見てみると、70年の父が訪れた時の万博の写真。これ、見ろってこと? 話入りたかったの?いつからそこにいたの?もう、ぎゃーってなった。いるわ、おとん、そこに」

「ちなみに、フォトアルバムの中には、いくつかのパビリオンの写真と、各国きれいなお姉さんの写真、カメラを構える父の写真があった。きれいなお姉さんの写真ってのがまさにうちの父親っぽすぎて笑ってしまった。なんかちょっと泣きそう。会いたいし、話したい。そう、私はファザコンなのだよ」

投稿とともに公開されたのは2枚の写真。1枚目は、本棚から落ちてきた中にあった、1970年に大阪府吹田市で開催された「日本万国博覧会」の思い出が収められたフォトアルバム。2枚目には、当時21歳だったお父様がカメラを構える姿が写っていました。

1970年から2025年へ。55年の時を超えて、万博というキーワードが導いた偶然と、父娘の深いつながりを感じさせるエピソードは、瞬く間に注目を集め、6.8万件超の“いいね”を獲得。感動の声が相次ぎました。投稿主のS子さんに、詳しくお話を伺いました。

突然の“再会”に家族全員が驚いた夜

ーー当時の状況について教えてください。

「この出来事は、投稿した日の夜8時頃に起きました。当時、甥や姪が遊びに来ていて、彼らが今月末に万博に行くとのことで、一足先に万博を訪れていた私の話を興味津々に聞いていました。その後、居間から自分の部屋に戻ったところ、しばらくして本棚の上に積まれていた書類などと一緒にフォトアルバムが落ちてきました」

ーーご自身はこのフォトアルバムのことをご存じでしたか?

「私や姉たちは、今まで存在すら知りませんでした。母は、昔一度見たことがあるそうです」

ーーアルバムが落ちてきた瞬間、どのようなお気持ちになりましたか?

「1回目に落ちてきたときは無視していたのですが、2回目に『何だろう?』と思って手に取ると、フォトアルバムが交ざっていました。最初は驚きのほうが大きくて―そのまま居間へ行き、家族に見せました。驚いたのと同時に、あまりにもできすぎた“演出”で、『怖っ!』と声を上げてしまったのも事実です」

ーー“きれいなお姉さん”の写真にほっこりしました。他にも印象的だった写真はありましたか?

「父はひょうきんな人でした。テレビを見ていてきれいな女優さんやタレントさんが出ていると『この人、きれいだよね〜』とよく言っていたので、自分の写真よりも各国を代表するような美女の写真のほうが多く、それがとても父っぽいなと思いました」

「他には、太陽の塔は今とは異なり、まわりに大屋根リングのような足場があったようで、それがとても面白いと思いました。また、東南アジアの雰囲気が漂う伝統的な建物(※1)と、七重の塔(※2)を同じ写真に収めたものがとても美しくて。万博ならではだなと感じました」

(※1『ビルマ館』(現・ミャンマー)。7層の塔のついたカラウエ様式王宮建築を乗せた竜王船の形の展示館)
(※2『古河パビリオン』。奈良・東大寺にあったとされる七重の塔を忠実に再現)

ーーお父様はどのような方でしたか?

「とても明るくおしゃべりな人だったので、家族もしばらくは落ち込みましたが、今回のように家族の会話に参加しようとしてくるとは…さすがに想定外でした」

ーー「私はファザコンなのだよ」と締めくくられていたのが印象的でした。そう思うようになったきっかけがあったのでしょうか?

「子どもの頃からよく遊んでもらっていて、あの世代の男性にしては、子どもとよく関わってくれた父だったと思います。そのせいか、今でも悩みがあると『お父さんに聞いてほしいな』と思うことがよくあります。今回の出来事があって、『見えなくてもそばにいるのかも』と思えるようになりました。悩んだときは、仏壇に向かって話しかけてみるのもいいかな…と思えたんです。ちょうど先日は父の日だったので、いつもより少しだけいいお花をお供えしました」

このエピソードには、たくさんの温かな声が寄せられました。

「明日は父の日ですね」「じわっと、きました。お父さん、いてるね」とのリプライには、投稿主さんが「た、確かにー!なんか素敵なものお供えします」「いることわかったので、急いで部屋掃除しました。きれい好きの父に怒られちゃう」とユーモアを交えて返信。

また、「他の家族が最近見たから落下しやすくなってるだけ、というのは言わない方が良いんだろうな…」という現実的な意見には、「父の部屋は、私(海外在住)が一時帰国したときに使うくらいで、2階にあるので脚の悪い祖母や母が入ることはあり得ないんです。だから本当に不思議でした」と率直な思いを伝えていました。

さらに、心を動かされた人たちからは、こんな声も届いています。

「会いに来てくれたんですなあ」
「かわいらしい人柄が偲ばれます」
「お父さんかわいいな。みんなで万博の話したかったんですね」
「おちゃめサンなお父様に和ませていただきました。楽しそうで良い話ですね。素敵です」
「俺も行ったことあるんだよって仲間に入りたかったんですね」

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