結婚相手に求める条件は、猫をかわいがってくれる人。コーヒー屋で働くかたわら、SNSにコミックエッセイを投稿するヨスコスさんの『再婚できたのは猫のせい。』は、そんなユニークなパートナー探しの奮闘をコミカルに描いた作品です。
アラフォーで離婚し、猫のピーちゃんと暮らし始めたヨスコスさん。ピーちゃんに召使いのように扱われながらも楽しく過ごすなか、「ピーちゃんを大切にしてくれる人」を条件にパートナー探しを始めます。
数年後にできた彼氏はまさかの猫嫌い。しかし、努力家で研究熱心な彼は、徐々にピーちゃんの信頼を勝ち取り、最終的には“猫歴10年”のヨスコスさんにアドバイスするまでに。しかし、関係は思うように続かず、2人は別の道を選びます。
しばらくのブランクを経て、ヨスコスさんに再び恋が訪れます。ところが、今度の彼氏は猫にまるで無関心。ピーちゃんの話題を出しても「それより…」と遮られ、ピーちゃんを「雑種?」と呼ぶ始末です。価値観の違いを感じたヨスコスさんは、またもお別れを決意します。
そんなとき友人の紹介で出会ったのが、バツイチの「めがねの人」でした。第一印象こそぼんやりしたものでしたが、ピーちゃんの写真を見るなり「カワイイ〜!」と反応する姿に心を動かされ、ヨスコスさんは「また会いたい」と胸をときめかせます。
そして迎えた彼とピーちゃんとの初対面。彼はなんと猫のポーズをとりながら「僕が新しいパパでしゅよ〜!」と、まさかの“パパ宣言”をします。その姿を見たヨスコスさんの心には、ずっと求めていたものに出会えた喜びがあふれました。
ほどなくして、ヨスコスさんの50歳の誕生日直前に2人は入籍。いつの間にかピーちゃんも彼に心を開き、彼は完璧な猫の召使いっぷりを発揮するのでした。ピーちゃんがいなければ「めがねの人」で終わっていたかもしれないと振り返るヨスコスさんに、ピーちゃんとともに歩んだパートナー探しについて、話をききました。
パートナー探しをあきらめていた時期も
ーこの作品を描こうと思ったきっかけを教えていただけますか?
漫画エッセイを描きたいと思い続けて20年。アラカンを迎え「今描かなきゃ一生描けない」と思い一念発起しました。初めての12ページ作品に挑むにあたり、楽しく描ける題材として、好きな猫の話を選びました。
ただ、猫漫画はすでに名作ぞろい。そこで「今の自分にしか描けない猫の話」と考えたとき、猫のおかげで再婚できた話が思い浮かびました。
ー作品のなかでは、前向きにパートナー探しをされている様子が描かれていましたが、結婚相談所や婚活アプリなどは利用されたのでしょうか?
とくに利用しませんでした。実は独身生活をエンジョイしながら、いいパートナーがいれば50歳までに結婚しようと、漠然と考えていただけだったのです。私は結婚に向いていないかもしれない、と思ってすっかりパートナー探しをあきらめていた時期もありました。
ー猫に好かれる人に共通する特徴はありますか?見極めのコツがあれば教えてください。
あえてぐっとこらえてクールに接する人だと思います。そして、猫が自分からすり寄ったときにだけ優しくしてあげる。ツンデレで気まぐれな猫様の気持ちを理解して接することのできる人が、猫に好かれるのだと思います。
でも長期的にみると、猫さんに愛情をもってせっせとトイレや水やり、ごはんなどのお世話をする人が愛されると思いますよ。
ー猫と暮らしながらパートナーを探している方へ、「こんな人はうまくいきやすい」「こうすると出会いが広がる」といったアドバイスがあれば教えてください。
猫好きなら、猫が好きなひとに絞って相手を探すととてもスムーズだと思います。猫が好きっていうだけで、いつまでも会話が続くし、わかりあえるのだと思います(笑)。
<ヨスコス様関連情報>
▽note
https://note.com/nyanko_do