関東地方在住のKさんは、2023年10月17日に黒猫の「いとちゃん」を保護しました。この日、Kさんは別の場所で保護した猫を病院に連れて行った帰りでした。すると、とても痩せた黒猫が回転寿司屋さんのゴミ袋の汁を舐めているのを見かけたのです。
「いとはよほど空腹だったのか、必死に近寄って来ました。知り合いに捕獲器を持ってきてくれるよう頼み、フードを少しずつ与えながら時間を繋ぎました」
Kさんは黒猫をすぐに病院へ連れて行き、初期医療を施しました。6〜7カ月の女の子でしたが、とても痩せていました。
「ゴミを漁っていたため体がとても生臭く、ベタベタに汚れていました。病院で鎮静をかけてシャンプーしてもらいました。警戒心が強いのに捕獲時に自分から近づいて来たのは、よほど空腹だったのだと思いました。外にいた時は人に優しくされたことがなかったのでしょう。保護した後もビクビクして怖がっていました」
人を見るとパニックに
いとちゃんは、しばらくの間ケージ生活しましたが、ケージの前に人が立つだけで怖がりパニックになりました。
「ケージをよじ登り、ケージ内の天井のフェンスにコウモリのようにぶら下がっていることもありました。怖くてパニック状態だったのです」
Kさんは、片手でおやつをあげながら、もう一方の手で触る練習をしました。
「いとは飢餓を経験したので食べ物に対しての執着が強く、食べながらなら触らせてくれました。そうやって数カ月練習してナデナデ大好きになりました。現在はナデナデ大好き、ブラシも大好きです」
優しい糸で繋がった子だから「いと」
「いとちゃん」という名前は、保護当時の細い体と、インスタグラムでの投稿にたくさんの応援が寄せられたことから名付けられました。「皆さんと優しい糸で繋がったこと、そして優しい里親さんと糸で結ばれるようにという願いが込められています」
いとちゃんは、今では撫でられるのが大好きになりました。呼ぶと返事をし、撫でてもらいたくて人のそばでコロンと横になります。しかし、まだ警戒心は強く、捕まえたりキャリーに入れたりするのは難しい状態です。
「頑張って家猫修行をしなければなりません。いとの未来が、優しい里親さんとの糸で結ばれる日が来ることを願っています」