生後間もない赤ちゃん猫
2024年5月初旬、関東地方で猫の保護活動をしているMさんは、友人から「近所に段ボールに入れて捨てられている子猫がいる」という連絡を受けました。その地域は捨て猫が多く、Mさんは過去にも保護した経験があります。同じ人が捨てたのかどうかは分かりません。Mさんは友人に子猫たちを見ていてもらい、超特急で子猫たちを迎えに行きました。箱の中の2匹の子猫は、生後間もないようでぐったりしていたそうです。
「もう動物病院が閉まっていたので家に連れて帰ったのですが、茶トラの子猫は口を開けて呼吸して苦しそうでした。危ない状態でした。三毛の子は目の状態が悪く、翌朝2匹を連れて急いで病院に連れて行きました。最初は離乳食さえ口にしてくれなかったのでミルクをスポイトに入れて飲ませました」
何度か治療してもらうと2匹とも奇跡的に回復を遂げ、少しずつ離乳食を食べられるようになりました。
Mさんの懸命の看護の甲斐あって、すっかり元気になった2匹。7月初め、ついに譲渡会デビューの日が訪れました。2匹目を迎えたいと思っていたBさん夫妻は、MさんがXに投稿した子猫たちの様子を見て胸を痛めていたそうです。実際に譲渡会で三毛猫のつばきちゃんに会い、トライアルが決定しました。もう1匹の茶トラ猫も同じ譲渡会で他の里親とご縁があったそうです。
先住猫の洗礼に遭いながらも成長
三毛の子は「つばきちゃん」と名付けられたのですが、Bさん夫妻の奥さんの地元を代表する花にちなんでいるといいます。
つばきちゃんに会うと、先住猫モロくんは驚いてシャーシャーしていたそうです。
「トライアル開始から4日目、初めてモロと対面させたのですが、つばきは追い詰められて逃げてしまいました」
Bさん夫妻は慎重に見守り、あまり人が過剰に介入しないよう猫同士で問題を解決させました。短時間の対面を毎日続けるうちに2匹は仲良くなったそうです。今ではつばきちゃんが先住猫のご飯をつまみ食いしたり、同じキャットタワーにいられるようになったといいます。
「先住猫も元保護猫で、運命の出会いで家に来た子です。別々の事情で保護された2匹が同じ家で幸せに暮らすことになるなんて、なんだか運命を感じます」
つばきちゃんは当初は大人しいと思われていましたが、実際は元気で生命力に溢れている子です。捨てられた過去を持つつばきちゃんですが、Bさん夫妻に出会い、幸せな猫生を送っています。
「つばきが生きていてくれて良かった。つばきと出会えたことに感謝しています」