「生後6ヶ月を過ぎてしまうとセール品でも売れ残ってしまうと言われてるのに、この時既に生後10ヶ月。
モナカは売れ残りでした。
他の仔犬は家族がすぐ見つかるのに、この子だけはずっとケースの中 どんな毎日だったかな、、、」
ペットショップで売れ残っていた愛犬をおうちにお迎えした時のエピソードがInstagramで話題になりました。
投稿したのは、飼い主のsatomiさん(@satomi1862)。愛犬は、ダックスフンドのもなかちゃんといいます。現在は1歳の女の子です。satomiさんがもなかちゃんと出会ったのは、数カ月前。ペットショップでたまたま子犬を眺めていたら、セールと書かれた値札が目に飛び込んできて、そのケースにはもなかちゃんがいました。
「隣のケースにいた子犬と比べても体の大きかったもなか。当時生後10カ月、セール品として売られていたんです。私が近寄るともなかは立ち姿を見せてきて。この立ち姿は店員さんを探す時と、立ち姿をみたお客さんに構ってもらうためのアピールだと感じました。そんなもなかを見てすぐにはお迎えすることはなかったのですが、とても気になってペットショップに何度か足を運びました」
satomiさんが行くたびに待っていたかのように毎回立ち姿を見せていたというもなかちゃん。尻尾を振り、狭いケースの中で大はしゃぎだったといいます。
「もなかが売れ残りの理由がすぐに分かりました。ダックスゴールドなのに顔は白く毛質も悪く、目の色も違う。目の周りはただれた感じ。見た人は病気かもしれないと思ったでしょうね。私もそう思いました。色素の薄い子だったので、健康そうには見えなかったです。また夕方になると店内の狭い所に少し出すんですが、その時に足を引きずっていたことに気付きました。その時のもなかの悲痛な顔がたまりませんでした…」
色素の薄いダックス犬、抜けなくてはならいはずの乳歯が生えたまま…なぜ?
誰にも見向きもせず、このままペットショップで過ごした後のことを想像したsatomiさん。居ても立っても居られず、もなかちゃんをお迎えすることを決意しました。
「もなかが売れ残った場合、ブリーダーに戻されるんです。色素の薄い子が繁殖犬にはならないだろうし、使い物にならないと最悪殺されるのではないかとも思いました。実は以前飼っていた愛犬ももなかと同じブリーダーからお迎えし、重度の水頭症で両目はすぐ見えなくなりました。何日も寝ずにのたうち回り、気を失った時に身体をきれいに拭いてあげて次の日これ以上苦しまないように安楽死を病院にお願いしに行って…また何度もトラブルがあり通報も多かったという信頼できないブリーダー。そんな場所へもなかも返したくなかったんです。ショップの店長さんに『売れ残ってブリーダーに返すことになれば電話をください』とお願いしたところ、『この子は既に売れ残りの売れ残り』だと…そこで私は家族を説得し、お迎えすることになりました」
もなかちゃんをお迎えしたその日に動物病院へ。もなかちゃんの体が予想以上にボロボロだったことが初めて分かったそうです。
「もなかを受け渡しの時、ショップ店員から『愛嬌のある良い子』と言うだけで、色素の薄いことや足をひきずっていたことなど、その他諸々は聞かなければ何も言ってくれませんでした。そして、お金を支払った後に『あっ、この子は血統書がありません』と。でも私は、この子を迎えるだけで十分。血統書なんていりませんでした。すぐに病院に連れて行ったところ、狭いケースの中に10カ月ほどいたためか、獣医さんから足の骨は曲がっていて治すには骨をけずり、短い方の足へ骨をたす。と言った大がかりな手術になると言われました。
それに色素が薄い子はいずれ疾患が出てくることもあるそうで…目は光に弱くあまり日光に当てない形が良いと。このほか、トリマーさんからは抜けなくてはならないはずの乳歯が生えたままになっていたことを指摘され、抜かないと後から生えてくる重なった歯と歯の間は汚れがとれず、そこから悪くなるとのこと。生えたままの理由は、大切な時期に硬いものをかませなかったからだそうです。なので、避妊手術の時に乳歯も一緒に抜きましょうと獣医さんから勧められました」
そんな満身創痍だったというもなかちゃん。お迎えしたばかりは毛質が悪かったそうですが、現在1歳となり、今ではしっかりご飯を食べてガサガサした感じがなくなり少しずつ毛づやも良くなってきたとか。また先住犬のダックスフンドのきなこちゃん(雌・9歳)と、トイプードルのあんこちゃん(雌・5歳)との距離も縮め、仲良し3姉妹になりました。
「もなかは性格はおっとりですが、人に甘えることを知らなかった子。走り回りたい時期や、匂いをかぎまくりたい時期を狭いショーケースに入れられていたので、音にも慣れてない、外に出ると何もかもが恐怖…人や犬がいると気が狂うほどほえる時があるので、まだまだ訓練が必要です。でも、先住犬の長女きなこがもなかを少しずつ受け入れ、もなかを嫌がっていたあんこも次第にもなかの顔をなめはじめるなど無事受け入れてくれるように。仲の良い甘えん坊の3姉妹になりました。これからも3姉妹を私たち家族が幸せにしたいと思います」
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ペットショップの「売れ残り」と訴えた愛犬家が批判覚悟で投稿した理由とは
今回、satomiさんの投稿には「売れ残りって言い方はだめ」「可哀想な子を飼いましたアピール」「保健所で震えてる犬がいるのに!」などと批判の声も寄せられたといいます。最後に批判覚悟で投稿したというsatomiさんの思いをご紹介します。
「批判が殺到してますが私が言いたいことは、ペットショップでもなかを迎えたことが悪いことだとは思っていませんし後悔もしてません。保護犬、保健所から迎える方は迎えてあげてください。皆さんからのコメントは素晴らしいと思いますし、批判を浴びることは想定してました。なので、できる限り1人1人にコメントを返してます。もなかをお迎えする際は何匹も迎えられる家でもないからこそ、悩みました。
でも1分1秒早くここから出してあげたいと思い、主人を説得して迎えました。家族に迷惑かけないように、この子の治療費は私が頑張ります。Instagramの投稿では3匹幸せに寄り添ってます。誰もが笑顔に癒される動画を載せてますが、その笑顔の裏側は題名通り、『この子は実は売れ残りセール品』なんです。こんな子を減らしてほしいんです。幸せそうな写真の裏側で、もなかは苦しんできた子なんです。少しでも皆さんに伝われば良いと思います」