賛否のダンボール授乳室、その後は? 非難されドア付きに改良、そもそもなぜダンボールだったのかを聞いた

谷町 邦子 谷町 邦子

改良後、寄贈された道の駅「摩周温泉」に聞いた

最も早く改良されたダンボール授乳室を提供されたのが、道の駅「摩周温泉」です。運営する北海道の「弟子屈町(てしかがちょう)観光商工課」にたずねました。

当初の寄贈予定は10月上旬でしたが11月9日に。約1カ月の延期の理由は、先述の通りダンボール授乳室の改良待ちでした。ダンボール授乳室は、休憩スペースとして利用している小上がりに設置されましたが、現在は閑散期であり、1カ月以上たった今も利用されていないとのこと(12月中旬の取材時点)。

休憩スペースは今後、キッズスペースとして整備する予定で、「授乳室内は町内で活動している子育てサークル『てしファミ』『発達っ子ママの会』の皆様よりどのような機能を持たせたらよいか意見をいただきながら工夫をしていく。また、子育てサークルと連携し、ダンボール空間の改善のため、子供たちに大きな画用紙で絵を描いてもらい貼り付けて装飾するイベントを定期的に開催することとなっています」と、居心地良い空間にするための活動を行う予定だそうです。

◇  ◇

寄贈先の地域で子育て中の人の意見を参考に運用されることを例に考えると、改良されたダンボール授乳室は、現地の人々の手間やアイデアが引き続き必要だと言えそうです。

また、ダンボールの原材料はあくまで”紙”。災害による避難時に一時的に使用するのはともかくとして、一定期間での入れ替えが必要になるのではないのかも気になるところ。道建協によると、「製作メーカーからは、普通の段ボールより厚みのある強化段ボールを用い、天井部分に梁を渡して強度を高めたもので、『常設にも耐える安心、安全な授乳室』と聞いている。製品の特性上、水が掛からない屋内への設置を想定している」とのことです。

ただ、一般的に施設には定期的な改装が必要であることを考えると、安心して子育てできるように、長期的な展望を願うばかりです。

■一般社団法人日本道路建設業協会 公式ホームページ http://www.dohkenkyo.or.jp/
■一般社団法人全国道の駅連絡会 公式ホームページ https://www.michi-no-eki.jp/
■国土交通省「第3ステージ」について https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/michi-no-eki_third-stage/pdf01/05.pdf
■道の駅「摩周温泉」https://www.masyuko.or.jp/michinoeki/

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