親子で泣きたくなる子供の「鼻水」問題 耳鼻科医の”吸引のコツ”に「間違ったやり方してた」「やってみたら嫌がらなかった」

太田 真弓 太田 真弓

子供が泣いて嫌がったり、うまく吸えずに時間がかかったり…悩ましい「鼻水を吸う」ポイントやコツを紹介した耳鼻咽喉科医とむせんさん(@tomtom_e_n_t)の投稿が話題です。

「家で子供の鼻を吸引する時は写真のように『顔に垂直』にすると吸いやすいです。その後に軽く『内側』を向けるとさらに吸いやすくなります。出来れば人手がいれば、お顔が動かないようにすると短時間で終わります。難しければお近くの耳鼻科を受診されて下さい」

お人形をモデルに、とむせんさんが自ら実践。電動鼻水吸引器のノズルを鼻の穴に入れる様子を2枚の写真で説明しています。
左の写真(×)→鼻の穴の方向に斜めにノズルを挿しこむ
右の写真(〇)→顔に向けて垂直にノズルを挿しこむ

さらに「ちなみに薬指か小指で頬を触れながらすることでブレにくくなって吸引しやすくなりますし、ほっぺがぷにぷにするなぁと幸せも感じられます」と、ユーモアを交えながら吸引のコツを紹介しています。 

このアドバイスに、「鼻吸いで今とても苦労しているのでとても為になります!」「やってみたら嫌がりませんでした。ありがとうございます!」「有益なポスト!これからの時期出番だよね」「なんかコツ掴んだ気がする」「乳児時代知っておくべきだったー」「×の写真のやり方でやってた!」「画像付き解説なんてすごく親切!」など、鼻吸いに悩む子育て世代からの感謝の声が続々と届いています。 

この投稿の数日前、とむせんさんの奥さんが2歳娘さんの鼻水を吸う事に悪戦苦闘。とむせんさんが代わるとすんなり吸わせてくれ、娘さんからはハイタッチが!奥さんもびっくりのプロの手腕を発揮していたエピソードを紹介していました。

とむせんさんにお話を伺いました。

 ノズルは「垂直」「内側」に

――「とても役立つ情報!」とたくさんの反響が届いています。

娘の鼻吸いについての投稿後、「実際に方法を知りたい」という意見があったので紹介してみました。

――診察の現場でも、自宅で鼻吸い器を使う親御さんからの相談が?

はい、あります。家での鼻の吸引で困っている親御さんも多いと思いますが、泣くのが基本なのでそれで悩まれなくても大丈夫です。

――ノズルのあて方に吸えるコツがあるのですね。

鼻の構造上、顔に垂直に大きな道が広がっており、特にそこに鼻水が溜まる事が鼻閉の原因となります。また、鼻の中の外側には「下鼻甲介」というヒダがあるのでそこにノズルの先端があたるとヒダの粘膜を吸ってしまい鼻水を吸えなくなってしまいます。なので「垂直」「内側」を強調しました。

――鼻水や鼻づまりをそのままにしておくとどんな弊害が起きる可能性が?

副鼻腔炎、中耳炎のリスクになります。特に鼻を自分でかめない子は、鼻症状がある際は吸引してあげた方がよいと思います。またアレルギー性鼻炎のある方については季節性のものや通年性のもので治療方針が変わることもあるので耳鼻咽喉科受診をお勧めします。

――鼻吸い器には口で吸うタイプやスポイト型などありますが、やはりおすすめは手早くできる電動タイプでしょうか?

口で吸うタイプも使ったことがありますが、吸う力の加減も難しく難渋した記憶があります。強く吸いすぎた場合は耳を痛めてしまう可能性もあるので注意が必要です。電動の方が値段ははりますが、個人的な意見にはなりますが、安定したパフォーマンスがとれる気がします。難しければお近くの耳鼻科を受診されてください。

◇     ◇

朝晩の寒暖差がはげしくなり、日増しに寒さが増していく季節。体調を崩しやすく、家族の風邪ループのはじまりはいつも子どもの鼻水や鼻づまりだったりします。ズルズルすすったり、フガフガと苦しそうにしているとなんとか楽にしてやれないかと自宅で「鼻吸い」にチャレンジする親御さんも多いはず。ただしこの鼻吸い、子どもにとっては苦痛を伴うことも多く、嫌がって逃げたり暴れたりするのをなんとか押さえながら…と格闘になることもしばしば。親がコツをつかんで短時間でしっかりと吸えればとても楽になりそうですね。悪化を防ぐためにも早めの受診も心がけましょう。

とむせんさんは、ユーモアも交えつつ、子供のほっこりする話、今回のような日常に役立つ耳鼻科の話をXに投稿中。興味のある方はぜひフォローを。

■とむせんさんX(旧Twitter) https://twitter.com/tomtom_e_n_t

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