2023年8月、茨城県の動物愛護センターに飼い犬とおぼしきシニアのパピヨンが収容されていました。一定期間内に飼い主からの名乗りがなかったことから、「捨てられたワンコだろう」と動物愛護センターの職員は考えていました。
同時期に収容された他のワンコが次々に引き取られていく中、このパピヨンは引き取り手がなかなか現れませんでした。それを察したのか、小さな体を震わせていました。このワンコの存在を知った、埼玉県・茨城県を中心に身寄りのないワンコの保護活動を行う犬保護団体restartdog LIEN（以下、リアン）スタッフは引き出すことを決意。「絶対に幸せにしてあげるからね！」と保護しました。
実はほとんどの歯を失っていた
保護されたパピヨンの名前はりりな。推定年齢7～8歳のメスで大きな立ち耳と白い毛がかわいいワンコです。りりなはいつも舌をペロッと出していますが、ほとんどの歯がありませんでした。このことからも元飼い主から適切な世話をしてもらえず、ネグレクトを受けた上に捨てられた可能性もうかがえました。
リアンのスタッフは胸を痛めましたが、同時に「だからこそいっぱいの愛情を注ぎながら、幸せへと繋いであげたい」とも思いました。
性格も健康状態も良好。散歩もご飯も大好きなお利口さん
りりなは歯がないこと以外、シニア犬とは思えぬほど健康状態は良好。いたって性格が良く、人間はもちろん他のワンコとの協調性もありました。
リアンが引き出してから、預かりボランティアさんの家で過ごすことになりましたが、先住犬たちともそつなくコミュニケーションをとことができ、特に仲の良いワンコと、じゃれ合って遊ぶ姿も見せてくれました。また預かりボランティアさんのことも大好きで、気づくと足元までやってきて「なでて」と甘えてきます。お望み通りなでてあげると、尻尾を振って喜んでくれました。
散歩も大好きで、シニア犬とは思えないほど元気に歩いてくれます。1時間ほど散歩をして帰宅すると、ぐっすり昼寝。また、食べることが大好きでご飯はいつも完食です。おやつを見つれば、すぐに駆け寄ってきて「ちょうだい」と甘えてきます。
波乱万丈な過去がありながらも、こんなにも明るく社交的。歯がほとんどないことを除けば健康状態も申し分ない様子を受け、スタッフは程なくしてりりなの里親募集を開始。本格的に第二の犬生へと繋げる準備を始めました。
先住犬がいて留守番もない環境が望ましい
スタッフによれば、人もワンコも大好きなりりなには、先住犬がいる環境が望ましいとのこと。そして、小さな体で不安を抱えながら生き抜いてきたこともあり、留守番が少なく、いつも一緒に過ごしてくれる里親さんを希望しています。シニア犬ではありますが、持病や怪我のない健康体なので、たっぷりの愛情を注げばきっと長生きしてくれそうです。
一時は殺処分の恐れもあったりりなが本当の幸せをつかむ日が訪れてくれることを願わずにはいられません。
犬保護団体restartdog LIEN
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