保護当時、尻尾のケガでボロボロだった猫→断尾を乗り越え、今はふわふわボティの甘えん坊に!「4年で変わった」「長生きするんだよ」

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「ポチくんを保護してまもなく4年が経ちます。
振り返ってみると
なんとなんと愛おしいんだろう。
とにかく快適に暮らせる日が続きますように。」

4年ほど前に尻尾に大けがを負って保護された茶白猫ポチくんの思い出の写真や動画をInstagramに、保護主のsattommmyさん(@sattommmy)が投稿。ポチくんのビフォーアフター姿に「幸せな様子に涙が出ました」「4年間でこんなに変わったのは、主さんの温かい愛情とお世話の賜物」「長生きするんだよ」などとたくさんの感動コメントが寄せられ、話題を集めました。

ポチくんは、推定14歳くらいのおじいちゃん猫。sattommmyさんが保護する何年も前から地域でたまに見かける猫でした。ところが2019年7月、sattommmyさんの庭に頻繁に現れるようになり、尻尾に大きなけがを負っていることに気付いたといいます。

「尻尾の真ん中辺りがどす黒くなっていて、血が垂れて腐っているような感じでした。とにかくひどく臭かったんです。以前見かけた時のボス猫っぽい貫禄ある姿とは打って変わって、体はボロボロで汚れていて…明らかに弱っているように見えました。かわいそうで放っておけず、何とかポチくんを保護をしようと思ったんです」

しっぽに大きなけがを負った猫、一時保護をして病院へ いたずらされた?

普段から野良猫のTNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻すこと、あるいはRelease/放すこと)活動をしているというsattommmyさん。ポチくんを一時的に保護してけがを治してから元の場所に戻そうと考えました。

しかし、当初人馴れしておらずシャーシャーと威嚇するポチくん。まずは餌付けをすることから始めて、毎日通ってくるポチくんにご飯をあげ続けたとのこと。すると次第に距離が縮まり、ちゅ〜るを手から食べてくれるまでになりました。そこで、ポチくんのことを事前に相談をしていたかかりつけの動物病院の先生に治療してもらうため、お隣の人の協力を得ながらポチくんをついに保護。無事に病院へ連れて行くことができました。

「先生に診察をしてもらったところ、やはりけががひどく残念ながら断尾することになったんです。実は、以前遠くから見かけた時、長い尻尾が輪ゴムのようなものでくくられていたことがあって。当時は尻尾はふわふわで元気そうだったので、そこまで気に掛けていなかったのですが…今思うと誰かに尻尾にいたずらされ、くくられていたものが原因で大きなけがを負ったのかもしれません」

この日、ポチくんは全身麻酔をし断尾手術と同時に去勢手術も受け、耳カットをしてもらったとのこと。翌日退院し、sattommmyさんのおうちに戻りました。術後はとても衰弱していたというポチくん。しばらくはsattommmyさんのおうちで療養、ケージの中で過ごしました。とても甘えん坊になっていて自分から頭を擦り付けてきたり、なでなですると気持ちよさそうにしたり…数日後にはご飯もたくさん食べられるようになるまで回復。元気になったポチくんをお外にリリースしました。

リリース後、何度も庭に戻ってきて…とうとう家猫に 猫エイズ陽性、湿疹で体がボロボロの猫だったが

とはいえ、リリース後もポチくんはすっかりsattommmyさんのおうちが気に入ってしまったのか、庭に戻ってきたというポチくん。しばらくして体が熱く食欲もなくなり、再び病院へ。今度は極度の貧血状態になり、高熱が出るなど体調を崩していたというポチくん。そして前回同様、家の中でゆっくり療養させ、また良くなったらお外にリリースしたのですが…とうとうsattommmyさんの庭に住み着いてしまったのです。

「うちの子にした方がいいのかなと悩みながらも、しばらくは地域猫としてお世話をすることに。ただ皮膚の湿疹がひどくなり、かきすぎて血が出たり毛が抜けたりと日に日にひどくなってしまって。病院にも何度も連れて行って検査や治療をしました。原因が分からず、ある時血液検査をしたところ猫エイズの陽性と分かったんです。幸いにも口の中も口内炎もなく、まだ発症していないキャリアということでした。猫エイズと湿疹との関連は分かりませんが、湿疹も治らず。TNR活動をしていた私は保護した猫ちゃんをおうちに迎えるのは初めてでしたが、腹をくくっておうちの子にすることにしました」

ただポチくんをおうちにお迎えしたものの、ひどい湿疹で毛も抜けてしまいかゆがるポチくんの姿がかわいそうで…sattommmyさんは夜な夜な泣きながらお世話をしたといいます。

「湿疹だけではなく、猫エイズの影響で免疫力が下がっているのか、よく風邪を引いて、くしゃみもひどく、鼻血もよく出ていました。目ヤニもひどかったです。通院して投薬をしたり、冬虫夏草のサプリを飲んだりと、とにかくポチにはいろいろしてあげました。口の中は歯があまり残っていません。前歯は1本、犬歯も上下で1本ずつ残っているだけ。お外の暮らしは過酷だったんだなと…」

今ではハーネスを付けて庭を散歩 ダイナマイトボディの穏やかな猫に!

でも、最後まで諦めなかったsattommmyさん。懸命な看病を続けながら病院の勧めでマイクロバブルのシャンプーに通い始めたところ、少しずつ湿疹も改善に向かったのです。やがてポチくんはピンクのお肌に戻り毛も生え始め、ふわふわなボディに。さらに、おうちの子になったポチくんの様子も変わりました。

「ポチくんは保護した後は見るもの全てが初めてて、段ボールに入るのも、ボールやおもちゃで遊ぶのも、赤ちゃんのように無邪気に反応してくれてとてもかわいかったです。実は名前の変遷があって、尻尾をけがしていたことから当初は『しっぽ』ちゃんと呼んでいたのですが、そのうち『ポッシ』ちゃんに変わって、最終的には『ポチ』くんと名付けました。

またお外の生活が長かったので、お外に出たがりました。ただ猫エイズにはストレスも悪影響だと聞いたので、お庭をハーネスをつけてお散歩するように。毎朝、ハーネスをつけて庭や家の周りをゆっくりゆっくりお散歩しています。お外の匂いをかいだり、草を食べたり、ゴロンと寝たり。たくさん歩くわけではありませんが、とてもお利口さんにお散歩ができます。体調が良くなるにつれ、太ってきてしまい、今ではムチムチのダイナマイトボディです。冬毛になるともっこもこ。保護する前と今とでは見た目もまるで別猫で、性格も穏やかになったと思います」

そして…「あの時保護しなければおそらくポチくんは夏を越せなかった」と振り返るsattommmyさん。今はポチくんがなるべくのんびりストレスフリーで暮らせるように心がけているとか。もっと早く保護してあげたかった悔しく思うこともあったといいますが、ポチくんを見ていると「私のところに来てくれてよかった。会えてよかった」と心から思うそうです。

  ◇  ◇

sattommmyさんのおうちには、ポチくんをはじめ、茶トラのキナコちゃん(雌・推定3歳)、茶トラ長毛のふわりくん(雄・推定2歳)、長毛パステル三毛のスイレンちゃん(雌・推定2歳)計4匹の保護猫ちゃんたちがいます。ポチくん同様、3匹とも庭に現れた猫ちゃんたちだとのことです。

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