宙に浮かびながらぐるぐると回る風船の輪、この風船の輪を子どもや大人がくぐっていく楽しそうな動画が、SNSで話題になっています。
「やばい、これ絶対喜ぶヤツですね!!」
「一瞬CGかと思って目を疑った…面白すぎる」
「くぐらずには、いられない〜!」
「家の中で、子どもも大人も大ハシャギしちゃった」
家でも簡単にできることから、真似する人が続出しました!
実はこれマジックではなく、米村でんじろう先生考案の「風船輪くぐり〜風船ぐるぐる実験1〜」が元ネタ。もう12年も前のものですが、平成から令和を経ても、好奇心を掻き立てます。
でんじろう先生といえば、科学のプロ。「科学っておもしろい!」を広めるべく、NHKをはじめとするさまざまなテレビ番組で、独自のオモシロ実験を披露。「あの実験はでんじろう先生のオリジナルだったのね!」というものもたくさんあります。
米村でんじろう先生に話を聞きました。
風船ぐるぐる実験は、実は偶然の産物?!
「1つの風船を浮かばせる実験は昔からありました。それをもっと大きく、おもしろく見せる方法はないかと工夫していく中で、風船をリング状にやってみたら……偶然成功! これをみんなでくぐってみよう!となり、宙に浮かぶ風船の輪を長縄のようにジャンプしてくぐっていくYouTube動画が生まれたんです」とのこと。なんと、偶然の産物だったなんて!より興味が湧きます。
作り方は、とってもシンプル
準備するのは、風船と両面テープそして風を送るためのブロワー。家庭で実験をする場合は、サーキュレーターや家庭用ドライヤーの冷風を当ててもOK。
「作り方のポイントは、風船1個1個をできるだけ丸くふくらませて球体に近づけること。そして風船をテープで繋げていく時に、できるだけ前から見ても横から見ても、ゆがみ(またはねじれ)のない、きれいなリング状にすることです。風船それぞれがしっかり球体になっていると安定して浮かび続けますが、洋梨型になってしまうと落ちやすくなります」とのこと。ここは最大に気を使うポイントとなりそうです。
理科的な見解で理解を深めて自由研究にも
もうすぐ夏休みということで、そろそろ自由研究の題材を考えはじめる時期。どんな原理で風船が空中で回り続ける現象が起きるのか?ということも聞いてみました。
「風船でつくったリングの側面に空気を当てると、曲面に沿って流れます。これを『コアンダ効果』と言います」
コアンダ効果は、気体や液体の噴流のそばに湾曲した壁があると噴流軸の方向と壁の方向とが離れていても、壁の曲面に沿った方向を流れようとする傾向があるこの現象をいう。
「空気の流れを曲げたことによって、その反作用で風船は引き上げられ浮かび続けます。つながっている風船がぐるぐる回る原理は、風船1個1個に風が当たるだけではなく、つなげた丸い風船に空気が当たり、風に流されるように風船が空気に押されるので回転するんです」。空気の流れを活かして回るということで、そこを深堀り追求してみてると、さらに理科の知識も深まりそうな予感です。
風船の個数を増やして円を大きくするほど難易度が上がるので、お子様の年齢に合わせて変えるといいですね。小さな輪から挑戦して、サイズアップして親子で「輪くぐり対決」なんていうのも白熱しそう!
そして夏は、米村でんじろう先生の実験をリアルに体験できるチャンスがたくさん!全国各地でサイエンスショーが開催されています。ぜひ、夏の思い出に出かけてみてはいかがでしょうか。
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▽米村でんじろうサイエンスプロダクション
http://www.denjiro.co.jp/
https://twitter.com/YDScience
▽サイエンスショー開催日程
http://www.denjiro.co.jp/calendar/