「今日からここでお世話になりま~す!」自ら家の中に入ってきた元野良猫 “念願の家猫ライフ”は仲良し11匹の大家族

古川 諭香 古川 諭香

「今日から、ここでお世話になりま〜す」と言うかのように、浅水さん宅へ突撃したのは、元野良猫のキューちゃん(男の子)。

自らの意志で家猫生活をスタートさせたキューちゃんは、にゃんとも個性的。一緒に暮らす日々の中では、笑いが絶えない。

「今日からお世話になりま~す!」自ら家の中へ入ってきた元野良猫

キューちゃんは、母猫や3匹の兄妹猫と共に浅水さんの庭で暮らしていた子。生後3カ月ほどになった頃、キューちゃんは家猫生活への憧れを秘め始めたよう。帰宅したお父さんに続き、自ら家の中へ入ってきた。

ところが、部屋に足を踏み入れたキューちゃんは予想外の光景を目の当たりにした。なんと、家には、すでにたくさんの先住猫がいたのだ。

「驚いたのか、壁とピアノの間に挟まっていました。数時間後に見ても寸分違わぬポーズだったので、もしかして挟まって動けないのだろうかと思い、引っ張り出すことにしました」

ところが、手を伸ばしても掴めたのは、キューちゃんの前足だけ。このまま引っ張ると大暴れしてしまうのでは…と躊躇したが、浅水さんは自分が怪我をすることを覚悟し、怪我をさせないように注意しながら、慎重にキューちゃんを引っ張り出した。

「そしたら、そのままズルズルと引っ張られて出てきました。何とも途方に暮れた表情が、『ありがとうございます…』と言っているように見えました」

たっぷりとかわいがられながらボス猫の座に君臨しようと目論む日々

保護後は、ノミ駆除の薬を投与。きゅるんとしたお顔をしていたからか、動物病院では初見で獣医さんに、女の子に間違えられたそう。

浅水さんは外で暮らし続ける母猫や兄妹には避妊・去勢手術を受けてもらい、命を見守り続けることにした。

庭に来ていた頃から人懐っこかったキューちゃんは、すぐに家族に馴染んだ。先住猫たちは初めこそ警戒し、威嚇をしていたが、フレンドリーなキューちゃんに心を許し、1週間も経つ頃にはお世話をするように。

「母いわく、名前の由来は、キュートのキューらしいです。キューちゃんはマイペースで、自分がかわいいことを知っていて、それを最大限利用して生きています(笑)」

現在、浅水さん宅では、キューちゃんを迎えた後にやってきた猫も含め、全11匹が暮らしている。その中には、キューちゃんの実のお兄さんや妹さんもいるそう。

「兄猫が怪我をしたことを機に、兄妹たちを家に迎えました。久しぶりに揃った3兄妹は仲良く並んで寝ています」

11匹の猫たちは、みな仲良し。意外なことに、特別な工夫は何もしておらず、唯一意識しているのは、猫が望む時に遊んだり抱っこしたりと、スキンシップをとることなのだとか。

「猫の世界は猫に任せる」というスタンスが良かったのか、猫たちは微笑ましい光景を見せてくれることもある。

甘えん坊のキューちゃんは隙あらば、背中に飛び乗り、おんぶを要求。一度眠ると、何をされようが全く起きない。

最近はボスの座を狙いはじめたようで、ボス猫にちょっかいを出しては完敗。そんな姿を見るたび、浅水さんは「アナタ、年功序列だと下から2番目ですけど…?」と思ってしまうのだとか。

「キューちゃんは人の出入りに乗っかって、居住スペースである部屋から別室に行こうとするくせに、いざ出てしまうと怖くて、緊急地震速報みたいな声を出すこともあるんです(笑)」

自力で掴み取った念願の家猫ライフを思う存分、漫喫しているキューちゃん。彼はこの先、もっと大物になりそうな予感がする。

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