あなたのまちの小学校給食の牛乳は?
地図情報のゼンリンがツイッター上で呼びかけたところ、8000通近い情報提供がありました。懐かしの牛乳パックが各地域で名乗りを上げるその姿はまさに群雄割拠。「信長の野望」の勢力図を見ているようです。
せっかくなので各地の英雄たちを見ていきましょう。
まずは酪農王国「北海道」ブロック。牛乳メーカーの数も豊富ですが、全体的に雪印メグミルク、よつ葉牛乳へ回答が集まったそう。特に「よつ葉」は十勝地域で一大勢力を誇ります。
続いて「東北」ブロック。
宮城、秋田で雪印メグミルクや森永牛乳などメジャーブランドが強い一方、岩手県では小岩井牛乳が気を吐いています。福島は3すくみ(酪王牛乳、会津中央牛乳、まつなが牛乳)の構図。
「関東」ブロック。
関東北部は昔からの地元勢力が根強い地域。埼玉は混戦模様で、様々なメーカーがしのぎを削っています。
お待ちかね、東京都を含む「関東南部」はカオス状態。東部はコーシン牛乳が押さえ、葛飾区は森永牛乳、世田谷は明治牛乳など大手メーカーも入り交じって混戦模様が続いています。
「北陸・甲信越」エリアは富山県に注目。家族経営の「黒東牛乳」も推す声もあり、百家争鳴の状態。信濃国・長野県も八ヶ岳牛乳やメイトー牛乳などが混在しています。
「どうする家康」でも話題の「東海」ブロック。
愛知県は回答の6割が事業撤退や廃業をしたメーカーを挙げる異例の結果に。往時を偲ぶ声が強かったですが、今では中央牛乳が県の半分を押さえています。三重県では「あずきバー」で有名な井村屋が広く普及していました。
人も牛乳も個性が強い「関西」ブロック。
とりわけ大阪市内はメイトー牛乳(吹田市)や「新泉牛乳」などがしのぎを削る地域。兵庫は共進牛乳が神戸を中心に版図を広げています。
「中国」ブロックは、牛乳やヨーグルトで有名なチチヤスやオハヨー乳業などが全国的にも有名なメーカーゆかりの地でもあります。
「九州沖縄」ブロックは、雪印メグミルクやグリコ牛乳など、メジャーどころが存在感を発揮。沖縄県の名称はど直球の「学校給食牛乳」!
ゼンリンがこの取り組みを始めたのは2022年の10月。以前実施した「小学校の修学旅行先」に続くアンケートネタとして、調査を開始したそうです。
反響は乳業メーカーや業界からもあり、「メーカーとしても大変参考になった」「生乳が廃棄の危機を迎える中、業界の一員としてお礼申し上げる」などの声が寄せられています。
完成したマップは業界団体Jミルクのイベントにも貸し出され、全国の牛乳パックが一堂にそろう展示も。Jミルクは「最初みたときには『やられた!』と思ったのが本音です。ただ、ゼンリンさんという酪農乳業の業界ではない企業様だからこそ実現できたかもしれません。業界でも大切にしている学校給食への牛乳供給が評価されているようで嬉しい気持ちになりました」とコメントしています。
ちなみに現在も募集中だそうです。ハッシュタグは 「#小学校の給食の牛乳といえば」。